浜松開誠館(静岡県)は10月12日(月)に「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン2 グループD」の最終戦を戦いました。桜丘(愛知県)に68-75で敗れましたが、全勝優勝を決めた桜丘が最も苦しんだ試合となりました。

試合開始から5分、10-18と桜丘に流れが傾きかけた場面で投入されたシックスマンの宇都宮大騎選手が、2本のシュートで浜松開誠館に流れを引き戻します。最初のボールタッチとなった右コーナーからの3Pシュートを成功させると、連鎖するオフボールスクリーンでフリーになるセットプレーからプルアップジャンパーを沈めます。「最初に乗れないと苦労するんですけど、乗ると止まらないタイプ」と自らを語る宇都宮選手は、これで「乗ると止まらない」の状態に入りました。

もっとも、宇都宮選手は「最初に乗れないと苦労する」を長く長く続けてきた選手です。倉敷南中で全国準優勝の実績を持つ彼のシュート力は、195cmの後藤大駕選手のゴール下の支配力との相性が抜群で、チームの大きな武器となるはずでした。しかし、浜松開誠館に入って「最初に乗れなかった」宇都宮選手は、自分のプレースタイルを見失い、長いトンネルへと入りました。

「高2の夏までは少しは試合に出ていたのですが、そこから何をやっても調子が上がらず、バスケを辞めたいと思うようになりました」と、宇都宮選手は苦しかった時期を振り返ります。「練習は腐らずちゃんとやっていたのですが、気持ちが後ろ向きになってしまい『なぜ今日もこんなにキツいことをやらなきゃいけないのか』というネガティブな思いでバスケをやるようになっていました」

自分たちの代になっても試合には出られず、今年6月のインターハイ県予選ではメンバー外。そしてチームがインターハイの出場権を逃したところで、宇都宮選手は後藤正規コーチに「バスケを辞めます」と伝えました。

バスケが嫌いになったわけではありませんが、バスケが苦しくて苦しくて、身を引き裂かれるような思いで下した決断でした。しかし、ここで2人の恩師が彼を引き留めます。後藤コーチは「今辞めたら何も残らない。ここで続けたら絶対に何かが得られるし、それはこれからの人生にも繋がる」とアドバイスを送りました。また宇都宮選手から悩める胸中を打ち明けられた倉敷南中の坪井晶コーチは、「大騎が元気にバスケをしている姿を見たい」とのメッセージを送りました。

そうして宇都宮選手は「もう一回バスケをやれば、苦しいことは絶対に起きる。でも、それを当たり前だと思って挑戦してみよう」と覚悟を決めることができました。そしてもう一つ、彼の考え方を変えるきっかけになったのは、中学の1年先輩で福岡大学附属大濠(福岡県)に進んだ村上敬之丞選手の背中でした。

「村上選手は中学ではバリバリに点を取っていましたが、高校に行ってからはディフェンスとかリバウンドとか泥臭い仕事を全力でやって、その上で得点も取っていました。それまで泥臭いことはカッコ悪いというか、やっぱり点を取りたいみたいな考え方が心のどこかにあったと思います」。尊敬する先輩の姿を追うように、モチベーションを取り戻した宇都宮選手はすべてのプレーを全力でこなし始めました。

後藤コーチは「今までは何か悩んだら立ち止まって動けなくなっていたのが、『何でもいいからとにかく動こう』というマインドに変わったと思います」と、宇都宮選手の変化を歓迎し、夏から彼をシックスマンで使い始めました。シュート力はもちろん泥臭い仕事でも、悪い流れを変えてチームを盛り立てる。周囲から信頼されているという感覚が、また彼の力になります。

「浜松開誠館はみんな本当に仲が良くて、僕がバスケを辞めると言った時にも変わらず接してくれたし、続けると決めた時には石田唯翔選手や小長井奏空選手が『もう一回頑張ろうぜ』と言って、前向きな言葉をたくさん掛けてくれました」

桜丘戦でも投入した途端に彼にシュートを打たせるセットを用意したのは、後藤コーチも含めたチームから彼への信頼に他なりません。この試合では投入直後に「乗った」ことでプレータイムも伸び、攻守にフル回転。しかも、この日は恩師の坪井コーチが見に来ており、元気すぎるぐらい元気にバスケをしている姿を見せられた試合でした。

「辞めなくて本当に良かったです。今はバスケがめっちゃ楽しいです」。少し泣きそうになりながら、それでも満面の笑みで宇都宮選手は言います。「あとは勝つだけです。ウチはどの強豪チームとやっても競ることはできるのですが、コーチの指示に対してどれだけアジャストできるかの部分で負けています。レベルの高い相手との接戦の経験値が足りなかったと思うのですが、このリーグ戦で補うことができました。ここからは競ったゲームを勝ちきるチームになります」

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「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン2」競技日程

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