馬場雄大

気圧された初戦から一転、果敢なアタックを連発

バスケワールドカップの第2戦、日本代表はチェコと対戦した。

日本の先発は田中大貴、馬場雄大、渡邊雄太、八村塁、ニック・ファジーカスと、敗れたトルコ戦からガードコンビを変更。立ち上がりで相手の勢いに飲まれたトルコ戦の反省から、立ち上がりはアグレッシブさを出して無難なスタートを見せる。

4-9から馬場が強引にアタック、このシュートはこぼれるも、八村がオフェンスリバウンドを拾ってそのまま押し込む。渡邊がドライブから強引なレイアップを決め、田中が3ポイントシュートを連続で決めて食らい付く。さらにはセカンドユニットに回った篠山がドライブでズレを作って渡邊のイージーシュートをアシスト。リバウンドで8-14と押されながら平面の戦いで強みを出し、18-18で第1クォーターを終えた。

第2クォーターもオフェンスは好調。八村に3人のディフェンスが寄った瞬間にパスをさばいて比江島慎のアタック、竹内譲次からファジーカスへのハイローなど、トルコ戦では出なかった連携を披露する。それでもチェコもシュートタッチは良く、さらに日本がターンオーバーからイージーなチャンスを与えてしまう。速攻からの3ポイントシュートを浴びて29-39、点を取り合う中で10点のビハインドを背負うことになった。

それでも日本はここで受け身にならない。八村が思い切り良く放った3ポイントシュートはリングに弾かれるが、セカンドチャンスからファジーカスが決める。渡邊は強引なドライブからねじ込み、今度は渡邊からファジーカス、八村へと人とボールが高速で動く合わせも飛び出す。最後はタイムアウト明け、時間のないところで比江島が思い切ったリムアタックからねじ込んだ。

渡邊雄太

点を取り合う展開、ミスの差が明暗を分ける

相手に気圧されて受け身になることなく、難しい局面でも個人ではなくチームでの打開を試みる。初戦の課題を見事にクリアしながら、前半を終えて40-45、ほとんどの時間帯でビハインドを背負うことになったのは、3ポイントシュートの差。速攻から決められる3ポイントシュートが日本にとっては痛手となった。当たっているのはブレイク・シュルブ。後半開始早々、一つも落とすことなく5本目の3ポイントシュートを沈めてチェコがまた抜け出す。ファウルの判定を巡ってフリオ・ラマスがテクニカルを取られ、43-53と再び10点差を付けられた。

ショットクロックがないところで篠山から渡邊への合わせなど良いプレーも出るが、ポジション争いで八村がオフェンスファウルを取られたり、再び速攻から3ポイントシュートを浴びたりと波に乗れない日本。ファジーカスのシュートがブロックされて速攻を浴び、55-64で最終クォーターへ。プレータイムの長い八村をベンチに下げて呼吸を整えさせる1分と少しで、55-69と差は開いた。

馬場から八村へのポスト、ディフェンスを引き付けて裏に飛び込む比江島への合わせというビッグプレーが飛び出すも、その直後に速攻で取り返されて点差を詰められない。日本も速攻で勢いを出したいところだが、馬場が走ったところにハリーバックで守り切るなど、チェコも隙を見せない。残り4分半、攻めあぐねたところでターンオーバーからの速攻を浴びて63-78。日本はプレッシャーを強めて何とか打開しようと試みるも、チェコは落ち着いて時間を進めた。

残り3分16秒、ラマスヘッドコーチは最後のタイムアウトを使う。八村がブザービーターを決めるも、直後のディフェンスでファジーカスが個人5つ目でファウルアウト。残り1分半で渡邊のターンオーバーから速攻を浴びて72-86。もはや日本に打つ手はなかった。

最終スコア76-89、これで2連敗。9月5日にアメリカ戦を控えてはいるが、1次リーグ突破は絶望的となった。