ダウナーヘッドコーチ「あとは遂行力を高めるだけです」

10月8日、秋田ノーザンハピネッツは川崎ブレイブサンダースを迎えたホーム開幕戦を勝利で飾れなかった。

互いに最大リードが2桁を超えたように、アップダウンの激しい試合の中、残り1分38秒にはゲームハイの26得点を挙げたマーク・スミスのフリースローで1点をリードした。しかし、直後にフリースローを与えて逆転を許すとセカンドチャンスからも失点し、最後の約1分半で0-7と失速したことで81-87で敗れた。

開幕からフルメンバーが揃わない秋田はさらにトロイ・マーフィージュニアが右下腿打撲のため欠場し、この日はロスター10人で戦うことに。その中で、アレックス・カーク(帰化選手)と3人の外国籍選手が全員30分以上のプレータイムと『オン4』を使い続けた川崎を相手に接戦を演じたことは評価するべきだろう。

ミック・ダウナーヘッドコーチはこのように試合を振り返った。「試合終盤、オープンで放ったジャンプショットを決め切れず、ゴール周辺でのプレーでファウルを誘おうとしましたが、遂行力が足りませんでした。一方で相手はしっかりと遂行し、フリースローを獲得して、オフェンスリバウンドも奪いました。厳しい結果であり、本当に悔しいです。しかし、チームの戦う姿勢は素晴らしく、あるべき姿でした。あとは遂行力を高めるだけです」

日本人選手で最長となる23分20秒プレーした赤穂雷太は11得点を記録し、終盤にはマット・ボンズを一人で止めてターンオーバーを誘発するなど攻守に奮闘。しかし、赤穂も「エクスキューションができていなかった」と、指揮官に同調した。

「チームで準備したプランでみんなが戦わないと、このプレミアでは勝っていけないと数試合やってみて思いました。いらないファウルを無くそうとずっと練習からやっているんですがファウルになってフラストレーションを溜めて悪い流れになっていました。僕も本当初っ端に2ファウルして交代となり、それからはファウルなしで守れましたけど、そこはすごい反省しなければいけないと思いました」

接戦になればなるほど、一つのファウルやリバウンドが勝敗を左右する。たらればではあるが、赤穂が序盤にファウルトラブルに陥らなければ、第1クォーターに2桁のビハインドを背負うこともなく、クラッチタイムにリード・トラビスがファウルアウトにならなければ、その後のセカンドチャンスポイントも防げたかもしれない。だからこそ、赤穂は遂行力の大切さについて言及した。

「チームで準備したプランでみんなが戦わないと、このプレミアでは勝っていけないと数試合やってみて思いました。追いかける展開が多いのでそれを無くそうと、ヘッドコーチから『出だしからしっかりやろう』と言われていたんですけど、今回も1クォーターから追いかける展開になりました。そこは本当に直していかないといけないです」

「タクさんが帰ってくるのを待ちたい」

昨シーズンの赤穂は半月板損傷の治療のため手術をし、21試合の出場に留まった。チームもケガ人が相次ぎ、10勝50敗と失意のシーズンを送った。外から見ることしかできなかった赤穂は自分の存在意義を再認識した。

「去年ケガをしてプレーできるのが当たり前じゃないんだなとあらためて思いました。替えがきかないじゃないですけど、本当に一番抜けたらいけないポジションなんだなというのは感じました。プレミアになってなおさらビッグウイングが重宝されるというのは他のチームを見てても思いますし、そういった意味でも今年は離脱しないことがまずは目標です」

オン・ザ・コートフリーになり、ウイングタイプの外国籍選手が増えたことで、それを守れるディフェンス力や高さを持つ日本人選手の価値は上がった。以前から外国籍と対峙する機会が多かった赤穂にとって、プレミア化は望むところだ。

「僕自身、これまで外国籍とマッチアップする機会が多くて、そこで自分の良さを出してきていたので、そこまで変化を感じることはないです。マッチアップする選手のレベルは上がっているので、そこで結果を残せば自分の成長に繋がると思いますし、残せなかったら仕事が無くなるので、踏ん張りどころだとは思います。否定的な意見もすごい見られますけど、すごい選手とマッチアップできるので楽しいと思いながらプレーしています」

赤穂に加え、左膝骨挫傷で戦線離脱中の中山拓哉が復帰すれば、より強力なディフェンスラインが組めることは間違いない。赤穂は「こんなことを言ったらダメかもしれないですけど」と前置きをしつつ、彼の早い復帰を願ってこう続けた。

「タクさんが戻ってきてからがスタートかなと。今は本当に耐えて、耐えて……。タクさんが帰ってくるのを待ちたいと思います」

主力の故障が相次ぎ、昨シーズンと同様に苦しい序盤戦となっているが、厳しい時間を耐え忍んだ先に栄光が待っていることを赤穂は分かっている。在籍4年目で2028-29シーズンまで契約している彼は、現在の秋田の希望だ。