トルコ代表

「トルコはやるべきことをした、僕たちはできなかった」

バスケットボールのワールドカップ初戦、日本代表はトルコ代表に67-86で敗戦。第1クォーター残り9分16秒、トルコが試合最初の得点を挙げた後、日本は一度も追いつくことができず。試合の大半で2桁リードを許す展開が示すような完敗だった。

試合後の記者会見で、渡邊雄太は力の差を認めた。「トルコは僕たちより40分間、良いプレーをしました。彼らはとても強いチームで自分たちのやるべき仕事をしたけど、僕たちはそれができなかった」

この試合、トルコ優勢の流れを決めた第1クォーターの失速について、日本の選手たちは揃って『大舞台での経験の差』を挙げた。この違いを渡邊はより具体的に、「トルコは試合にどう入ったらいいのか分かっていた。僕たちは自分たちがどうしたらよいのか探っている感じだった」と振り返る。

指揮官フリオ・ラマスは、魔の第1クォーターをこう語っている。「彼らのディフェンスはとても良かった。スカウティングをしっかりされ、アグレッシブに来られた。そしてバットショットを打たされファストブレイクを食らってしまった」

まさにトルコに好き放題にやられたわけだが、相手の指揮官ウルク・サリカは、快心の勝利を次のように総括した。「昨日、初戦は難しいものと話したように私たちにとって鍵となる試合だった。とても重要な勝利となった。今日の試合は楽な展開だったかもしれないが、特に試合の出だしにおいて、中でもディフェンスでとても強くプレーできた」

格上であるトルコの方が、日本よりも世界大会の初戦、その中でも特に出だしはいつものように行かないことを認識し、入りの重要性によりフォーカスできていた。

渡邊雄太

「これを生かして、引き続き前に進んでいくこと」

さらに敵将は、日本対策にも言及している。「試合前、日本はファストブレイクの展開に持ち込みたいと選手には伝えていて、それを止めることができた。また、彼らのゾーンディフェンスへの準備はしてきた。良いポジションを取って、良い形でシュートを決めることができた。後半も試合を完全にコントロールできた」

様々な意味で、世界トップレベルで戦い続けていた相手との積み重ねの差を突きつけられた一戦となった。ただ、次の試合はすぐに来る。渡邊が「良い学びの機会となった。これを生かして、引き続き前に進んでいくことです」と語ったように、反省とともに気持ちも切り替えることも必要となる。

次戦のチェコも、「サイズがあり、リバウンドがとても強い」(ラマス)とフィジカル面で後手になることは否めない。それでも守備で粘って、いかに日本のやりたい走る展開に持ち込めるか。それが、ワールドカップにおいて日本初となる欧州からの勝利をもぎとるための生命線だ。