「第1クォーター2点では勝てるわけがない」
長崎ヴェルカは10月3日、4日のアウェー京都ハンナリーズ戦に連敗。昨シーズンのBリーグ王者はこれで開幕4連敗となっている。
長崎は昨シーズンのリーグ制覇後、モーディ・マオールヘッドコーチ(現マーベリックスアシスタントコーチ)が退任し、中心メンバーのスタンリー・ジョンソンが群馬クレインサンダーズへ移籍。NBLで3度のリーグ優勝を誇る名将のディーン・ヴィッカーマンヘッドコーチの下、新たなステージへと突入した。
しかし、昨シーズンBリーグ最強のアジア特別枠として大暴れした韓国代表のイ ヒョンジュンをNBA挑戦のため去り、ヒョンジュンに代わるアジア枠ないし帰化枠を獲得しないままシーズン開幕。さらに開幕戦の序盤にビッグマンのアキル・ミッチェルが負傷離脱したことで、最大4枠の外国籍とアジア/帰化枠がジャレル・ブラントリーとリーヴァイ・ランドルフの2人のみとなった。
また、オフの戦力流出や故障者によって日本人選手のベンチ層も薄くなっており、現在の長崎はシンプルに駒不足の現実を突きつけられた。3日の試合もオーバータイムの末に京都に惜敗。先発5人のうち4人が35分以上のプレーを余儀なくされた影響は大きく、4日の試合では出だしで本来のプレー強度が出せずに第1クォーターで2-21と大差をつけられ、そのままの流れで押し切られ25点差の完敗だった。
長崎の大黒柱、馬場雄大は4日の終了後、「入りが全てでした。第1クォーターに2点では勝てるわけがないです」と振り返り、チームの現状をこう語る。
「昨日の試合で主力のプレータイムがかなり多くなり準備が難しいところもあって、今日は昨日のような強度でスタートできなかったです。新しいコーチングスタッフ、新しいメンバーの下で、試合をこなしながらチームを作っていくところもあります。あまりネガティブに捉えすぎず、ポシティブな面も見ながらやっていく必要があると思います」

「長いバスケットボール人生でもまだやったことがなかったので新鮮です」
これから長崎は、インジュアリーリスト入りしたミッチェルの代役であるパブロ・アギラールが合流し、ビッグマンの駒不足も改善していくだろう。とはいえ、彼に合流直後から本来のプレーを期待するのは酷だ。アジア/帰化枠の不在も含めフルロスターで戦えない現状に、馬場も「もどかしさはやっぱりあります」と率直な気持ちを吐露するが、同時に「今のメンバーで100%やるべきことをできているかと言われたらそうではないと思います。新しい体制となり、準備期間も多くなかった分、まだ何をやっていくのか明確にできていないところがあって、チーム全員が同じページではないです」と改善すべき点を冷静にとらえている。
「ある意味、自分の一番の強みを100%発揮できたのが昨シーズンだったと思います」と馬場が振り返るように、昨シーズンの彼はヒョンジュンやジョンソンの存在でオフェンスでの負担が減り、ディフェンスに100%のエナジーを注ぐことができた。その結果、リーグ最高の盾として外国籍のエーススコアラーたちもシャットアウトする鉄壁ディフェンスを見せた。
だが、「メンバーの状況からオフェンスでもしっかりしたパフォーマンスをしていかないことは理解しています」と語るように、今は攻守の両方でフル稼働しなければいけない。より多くの役割を担うタフな状況となっているが、馬場はこの苦境をステップアップのチャンスを好意的にとらえている。
「メンタル的には1番から4番ポジションまでプレーし、オフェンスとディフェンスの両方で中心となるのは、長いバスケットボール人生でもまだやったことがなかったので新鮮です。だから4番は新しいチャレンジとして取り組んでいますし、前に1番をやらせてもらった時はミスが多くチームをうまくまとめられていなかったので、今回しっかりやろうと取り組んでいます。この状況で良いパフォーマンスができれば選手として、人として成長できる思いでやれています」
今の長崎はいろいろな言い訳ができるが、馬場のコメントが示すようにチームにそういった姿勢はない。ヴィッカーマンヘッドコーチも、「今、私は全ての選手と、どうすればうまくコミュニケーションを取れるのか学んでいる最中です。現時点では、それが十分にできていないのはコート上でのプレーに現れています。今のチームは少し足踏み状態にあるので、私がもっとうまくコミュニケーションをとり、フィードバックをしっかりと整理して最適な方向を見つけないといけないです」と自身に矛先を向けている。
ロスターが揃えば長崎は、リーグ上位に対抗できる競争力となる。それまでの我慢の時期でいかに踏みとどまれるか。シーズン序盤にして、早くも正念場を迎えた長崎がこの苦境を乗り切れるかは、馬場の八面六臂の活躍にかかっている。
