平岩玄

開幕戦は見事な繋ぎ役で勝利に貢献

アルバルク東京は琉球ゴールデンキングスとの開幕節を11敗で終えた。初戦は84-73で制したが、2戦目は74-85と敗戦。2試合合計の得失点が0だったことが示すように、実力伯仲の熱戦となった。

今シーズンからオン・ザ・コートフリーが適用される中、A東京は初戦からこの新ルールを積極的に活用。帰化枠ライアン・ロスターに加え、ディー・ジェイ・ホグ、キヨンテ・ジョンソン、ラクラン・オルブリッチと、リーグ屈指の日本人ウイングである小酒部泰暉を同時起用するビッグラインナップを要所で起用していた。

オン・コート・フリーで危惧される日本人選手のプレータイム減少だが、この逆風の中でチャンスをたぐり寄せつつあるのがA東京の日本人ビッグマン平岩玄だ。特別指定の2018-19シーズンからA東京に在籍している平岩は、リーグ屈指のタレント集団の中にあってこれまでベストメンバーのチーム状況では出番をつかめずにいた。それが開幕戦では646秒出場し、琉球のジャック・クーリーをファウルトラブルに陥らせるなど、繋ぎ役としての役割を果たして勝利に貢献。2戦目は、追いかける展開が続いた後半は出番はなかったが、前半はコートに立った。

オン・ザ・コート2だった昨シーズンまでは、外国籍と交代するのは3人目の外国籍もしくは帰化・アジア枠に限られがちだった。だが、新ルールとなり、帰化枠と外国籍3名を同時起用した場合、彼らがベンチに下がる時の交代要員は当然ながら日本人選手しかいない。平岩個人のステップアップは大前提として、ルール変更で生まれた起用法の変化も平岩は追い風にしようとしている。

平岩は新ルールのもたらす影響について、「まだ2試合を終えただけで総括はできないですが」と前置きした上で、こう語る。「オン・ザ・コートフリーが最大火力としても、この起用法をしないで(外国籍の出場時間を)セーブしないといけない時間はあります。そこの時間帯でいかにチームを良くできるかが大切になると思いました」

アルバルク東京

「日本人はどのポジションでもコートに立つのが難しくなっている」

さらに平岩は「日本人選手がポジション関係なく平等になったというとらえ方もできると思います」と言う。「これまで外国籍選手と帰化枠はビッグマンに集中していて、彼らでローテーションを回していましたが、制限がフリーになったことでビッグマン以外のポジションの外国籍が増えています。日本人選手はビッグマンだけでなくどのポジションでもコートに立つのが難しくなっています」

平等になったプレータイムを争う中で、平岩は存在感を増しつつある。「開幕戦で見せたオサ(小酒部)との連携でレーンを開けたり、さらにキヨンテが絡んだ3人のアクションができたりするのが自分の強みだと思います」と語るように、巧みな連携でチームメートを生かせる点をライアン・リッチマン新ヘッドコーチから評価されている。

また、天皇杯や東アシアスーパーリーグの外国籍に関するルールは現状では変更がないため、A東京のようにリーグ戦以外の大会に出場するチームの日本人ビッグマンの重要性は相対的に高まる。

平岩は新ルールがもたらすポジティブ、ネガティブの両方の要素を冷静に受け入れ、次のように今シーズンでの飛躍を誓う。「ルールの変化で受ける恩恵もありますが、一方でルール上は(外国籍と帰化枠の全員起用を)押し通すこともできます。現状に甘んじることなく高いレベルで自分の仕事ができるように日々、努力をしていかないといけないです」

オン・ザ・コートフリーの影響について現段階で何らかの判断を下すのは時期尚早だ。ただ、このルールが、すべての日本人選手にとってマイナス面しかないと言うことはできない。平岩のように与えられた環境で、自分のできることを愚直に追求していく選手にとってステップアップのチャンスも大いにあるルールだ。