キヨンテ・ジョンソン

「楽しくプレーできている時には、誰も自分のことを止められない気がします」

Bプレミアの記念すべき開幕戦でアルバルク東京は琉球ゴールデンキングスを84-73で撃破した。A東京の新戦力キヨンテ・ジョンソンはフィールドゴール17本中11本を成功させ、ゲームハイの29得点と鮮烈なBリーグデビューを飾った。

A東京は前半を50-51と互角で終えたが、後半をわずか22失点に抑えたディフェンスが勝因の一つとなり、ジョンソンも「チームとして素晴らしい勝利でした。後半しっかりとチーム一丸となって戦えたところが今日の勝利に繋がったと思います」と振り返る。

そして圧巻だった自身のパフォーマンスについてはこのように語った。「しっかりとチームメートがボールを回してくれたおかげで最終的に僕のところにシュートチャンスが来ました。良い流れでシュートを打てたことで29得点に繋がったと思います。自分が得意なことをしっかりと表現することができました」

ジョンソンは大学最終年にエースとしてカンザス州立大をNCAAトーナメント準々決勝に導いた後、NBAにGリーグ、中国リーグ(CBA)を経てA東京に加入した。Bリーグについては、「(昨シーズンに川崎ブレイブサンダースでプレーしていた)サッシャ・キリヤ・ジョーンズと元チームメートで、良い話を聞いていました」と、来日前から好印象を持っていたという。また、中国での経験が、Bリーグへのアジャストに役立っていると感じている。

「CBAはコンタクトが結構激しいリーグです。Bリーグも激しいので、CBAも経験しているからこそしっかりとコンタクトに慣れてプレーできた部分もあると思います。これからもっと自分の能力を発揮していきたいです」

CBAでも非凡な得点能力を見せ、今日も29得点を挙げたジョンソンだが、自身が目指すのはオフェンス、ディフェンスの両方でチームを支えることだ。「これまでプレーした大半のチームでは、トップスコアラーのうちの1人みたいな存在でした。ただ、今は自分のスタイルを攻守の両方で貢献できる2ウェイ選手へ移行しようとしていて、試合の流れに合わせてプレーすることを意識しています。得点だけを狙うのではなく、積極的にアタックすることが自分のスタイルです」

ジョンソンは2023年にドラフト2巡指名でNBA入りを果たした。ただ、NBAは狭き門で定着することはできなかったが、発想を転換させ、その経験をポジティブにとらえている。

「NBAのキャリアは早く打ち切られたかもしれないですが、だからこそ世界中でプレーできる機会を得られました。そして、日本でプレーできるチャンスを断ることはできませんでした。旅をして新たなライバルと競い合うことが僕は好きです」

このような考え方に至った背景には、彼の壮絶な過去がある。ジョンソンはかつてNBAドラフトで1巡目指名候補に挙げられる有望株だったが、フロリダ大学時代の2020-21シーズンに試合中に意識を失い、昏睡状態となって生死の境をさまよった。そこから一命をとりとめ、驚異的な回復を見せて今に至っている。だからこそ、彼にとってバスケットボールをプレーできることは特別な意味がある。ジョンソンは言う。

「大学の時、心臓発作というアクシデントがあり、そこから僕のことを多くの人が忘れてしまった気がします。これまでの苦難を乗り越え、再びプレーできる機会を得て、自分のスキルを披露できることがうれしいです。楽しくプレーできている時には、誰も自分のことを止められない気がします」

これからA東京がスタートダッシュに成功するには、引き続きジョンソンが楽しく、気分良くプレーできる環境を作ることが重要となる。それくらい彼はチームにとって大きな存在であることを証明した開幕戦となった。