アダム・シルバー

ラスベガスには『365日稼働するエンタメ市場』を期待

NBAコミッショナーのアダム・シルバーが、ラスベガスとシアトルでのエクスパンション(新規チーム参入)について年内に最終決定を下す方針をあらためて示した。

両都市を比較する中で、シルバーはシアトルの準備の早さを強調した。「シアトルについては、ラスベガスほど活発な議論は行われていない。それはラスベガスではアリーナ建設予定地すら決まらず、NBAの開催までの道のりはまだ長い。一方でシアトルにはクライメート・プレッジ・アリーナを運用するグループがすでにいて、多少の改修が必要だとしても、5週間後の開幕でも準備できる」

クライメート・プレッジ・アリーナはNHLシアトル・クラーケンの本拠地であり、クラーケンのオーナーが中心となって招致グループを構成している。すでにアリーナがあり、地元との強固な結び付きもあり、明確なアドバンテージがある状況だ。

「議論の時間には限りがあるので、大部分がラスベガスに割かれた」とシルバーは言う。ラスベガスはと言えば、現在はいくつかのグループが入札に向けたヒアリングを受けている段階。既存のTモバイル・アリーナを改修するグループもあれば、ラスベガスらしい最先端のアリーナの建設計画を持つグループもあるという。

まだまだ決着は先になりそうだが、シルバーはラスベガスで2023年に開業した円形型複合アリーナ『スフィア』に言及した。球状の外壁にLEDを配した『スフィア』は、1万8000人収容と規模は十分だが、ライブや演劇向けに特化していてNBAの試合は開催できない。

それでもシルバーは、『スフィア』の大成功にならうべく、さらなる最先端のアリーナ立ち上げに含みを持たせ、「実質的に365日稼働するエンターテインメント市場になり得る」と可能性の大きさを認めるとともに、「私個人の見解としては、特定の建設地を今すぐ確定させるのは時期尚早だと感じる。非常に有力な候補がいる以上、その準備を見極めたい」と語った。

エクスパンションに伴う参加料は70億から100億ドル(約1兆円から1兆5000億円)規模になると見込まれており、順調にいけば2028-29シーズンからの新規参入が視野に入る。長年の懸案だったNBAの32チーム体制への移行は、いよいよ年内の決着、そしてチーム立ち上げという段階へと進みそうだ。