写真=Getty Images

ポール・ジョージとの交換で獲得した『隠れた才能』

サンダーがペイサーズからポール・ジョージを獲得した際、その交換要員に疑問を持ったファンも少なくないだろう。

本来なら、7選手とドラフト1巡目指名権と交換でクリス・ポールをロケッツに放出したクリッパーズのように、サンダーに相当な見返りを求めても良かった。ところがペイサーズが獲得したのは、ビクター・オラディポとドマンタス・サボニスの2選手のみ。得点力のあるオラディポはまだしも、サボニスは来シーズンが2年目の選手。1年目には平均5.9得点、3.6リバウンドとスタッツも平凡で、印象に残るプレーは少なかった。

7月7日、この両選手に加え、ペイサーズと契約したダレン・コリソンの入団会見が開かれたのだが、メディアからの質問がオラディポとコリソンに集中したことからも分かるように、サボニスへの注目度は明らかに低かった。だが、ペイサーズ球団社長のケビン・プリチャードは、汚れ仕事を厭わないサボニスの姿勢を高く評価していると会見で語った。

「選手ならば、些細なプレーも好んでやるべきだ。だからこそ我々はドマ(サボニスの愛称)を評価している。リーグでは正当に評価されていないことだが、彼はチームメートのためにスクリーンを張り、リバウンドを奪い、仲間をオープンな状態にするためのフィジカルなプレーを厭わない。また彼は過小評価されているが優れたパサーでもある」

サボニス本人は「自分なら、パス、スクリーン、リバウンドを駆使して、コート上でチームメートの仕事を楽にさせることができる。チームの助けになれるのなら何だってする」とコメント。「自分を必要としてくれるチームでプレーしたいし、勝てるチームでやりたい。それに、自分を評価してくれるチームでやりたい」

サボニスは、昨シーズンのレギュラーシーズンで47勝を挙げたサンダーにおいて、66試合で先発起用された。『ミスター・トリプル・ダブル』のラッセル・ウェストブルックが残したインパクトが強すぎるあまり、ルーキーのサボニスがサンダーの勝利に貢献していたことを取り上げたメディアは皆無だった。

3年目のマイルズ・ターナー、同じく3年目で、2017年のオールスターウィークエンドに開催されたダンクコンテスト優勝者のグレン・ロビンソン三世が中心となるペイサーズでも、サボニスは重宝されるだろう。

スタッツには表れなくとも、チームの潤滑油になれる選手は欠かせない。もし来シーズンのペイサーズが予想に反する大健闘を見せたのなら、その陰にサボニスあり、と言われるかもしれない。