
法廷闘争を選択せず「オーナーはチームを支えるべき」
クリッパーズのオーナー、スティーブ・バルマーが、サラリーキャップ回避問題を巡るNBAの処分を正式に受け入れると表明した。その翌日、現地6月30日の合意から凍結されたままだったカワイ・レナードのラプターズ移籍トレードが、ついに正式成立した。
NBAが処分を発表した時点で、バルマー陣営はこの調査を『魔女狩り』と呼び、あらゆる手段で対抗する姿勢を示していた。億万長者のバルマーが法廷闘争を選択すれば、NBAの処分はひとまず差し止めとなり、その間はクリッパーズをこれまでと同じか、それに近い形で運営できただろう。
周囲のそんな予想に反して、バルマーは処分を受け入れた。その声明で「調査結果には依然として意見の相違があるが、オーナーはチームを支えるべきであり、邪魔をしてはならない」とバルマーは記している。
「我々はこの一件を終わらせたい。クリッパーズにかかわるすべての人にとって、これは非常に困難な時期だった。この件で生じた混乱と苦痛について謝罪したい。筆頭オーナーとして、その責任を全うするつもりだ」
このバルマーの意思表明を受けて、カワイのトレードの凍結が解除された格好となった。カワイはかつて球団史上初の優勝をもたらしたラプターズへと復帰し、ブランドン・イングラムとグレイディ・ディック、1巡目指名権2つと1巡目指名交換権1つ、2巡目指名権2つをクリッパーズが獲得する。
7年間に渡るクリッパーズの『カワイ時代』は失意と混乱のうちに終わった。最高成績は在籍2年目の2020-21シーズンのカンファレンスファイナル進出だが、この時もカワイはプレーオフ途中に戦線離脱。そのまま全休となった翌シーズンからの5年間はファーストラウンド止まり、うち2回はプレーオフ進出すらも逃した。カワイ自身もロードマネジメントを徹底しながらもケガに悩まされ、完全燃焼したとは言い難い結果となった。
1巡目指名権5つの剥奪という厳罰を受けたクリッパーズは、カワイのトレードでいくつかの指名権を取り戻し、新たなスタートを切る。