
「自分の仕事をより理解しないといけない」
女子日本代表は、『FIBA女子ワールドカップ2026』のベスト8進出決定戦でハンガリーに63-84で敗戦。目標だった1979年大会以来の8強入りを逃して大会終了となった。
この試合、日本はグループフェーズで敗れたドイツとスペインとの戦い同様に、出だしから相手に主導権を握られてしまうが、第2クォーター終盤に追い上げを見せて2桁ビハインドから3点差へと縮めてハーフタイムを迎えた。しかし、第3クォーターに入ると守備で踏ん張れず、ハンガリーの強力なインサイドアタックを止めきれないことに加え、ファウルトラブルから多くのフリースローを献上してしまう。その一方で自分たちの生命線である3ポイントシュートが決まらず(33本中7本)オフェンスの停滞を招いた。攻守ともに振るわなかったことで、常にハンガリーペースで試合が進み完敗を喫した。
今大会、日本は初戦のマリ戦こそ102得点と大量得点で勝利したが、予選から通じて3連敗を喫したドイツ、スペイン、ハンガリーの欧州勢には58得点、59得点、63得点とロースコアに終わった。特にドイツとスペインに対してパスで崩すことができず、アシスト数はチーム合計でそれぞれ一桁だった。
そんな中、ハンガリー戦では町田瑠唯が3得点4リバウンド2スティールに加え12アシストを記録。予選の3試合合計が31分出場だった彼女はこの日、チーム最多の27分半出場とフル稼働し、傑出したアシスト能力が健在であることを示した。
町田が起点となることで、この試合の日本はドイツとスペインとの試合でなかなか見られなかったゴール下への効果的なカットインからの得点が増えた。しかし、町田は「自分がもっと早いタイミングでパスをもらわないといけなかったのに、託しすぎてしまいました。自分の仕事をもっと理解してやらなければいけなかったです」と、21点差での大敗で大会を去ることに相まって、厳しい自己評価を下した。

「3ポイントを囮にして、相手の裏をつくオフェンスも増やしていく」
日本の要である3ポイントシュートは、マリ戦こそ20本成功させたが、残りの3試合は不発に終わり、それに伴ってオフェンスが停滞して敗れた。相手が徹底して日本のストロングポイントを潰しに来る中でも、得点を重ねるために何をしないといけないのか、町田はこう考える。
「コーリーのバスケットは3ポイント中心で、ガードとして(3ポイントを打つ機会を)クリエイトできるかが大事です。(サイズで劣る日本は)2点でやられてしまうなら、3ポイントでやり返すことを意識しないと得点が伸びていかないという考えがあると思います。日本は4番、5番ポジションの選手も3ポイントを打てるので、シューターに打たせる以外の形も増やしていかないといけないです。(ハンガリー戦に関しては)3ポイントをオープンで打てるチャンスは作れていたと思います。あとは私も含め、どれだけ決め切れるかが大事です」
「そして3ポイントを囮にして、相手の裏をつくオフェンスも増やしていく。今日も相手が外に張り付いてきた分、(ディフェンスの背後からゴール下に向かう)バックカットが効いていました。こういうプレーも増やしていって、守備の意識をもっと中に向けさせることで、外が空いてくることもあると思います」
3ポイントシュートをシンプルに狙いに行くだけでは、規律とフィジカルを備えた欧州勢のディフェンスを崩せないことは今回、あらためて証明された。とはいえ、サイズで埋められない壁がある日本が世界と渡り合うには3ポイントを主体としたスモールボールにこだわり続けるしかない。
町田は今大会を終えて、胸に去来する思いをこう語ってくれた。「改善しなければいけないところはありますが、コーリーが目指しているベースの部分はおそらく変わらないと思いますし、そこはブレてはいけないと思います。ポイントガードである私もコーリーのやりたいバスケをより理解し、どうやって突き詰めていったらいいのか今後しっかり取り組んでいく必要があると思います」
世界の強豪相手に勝ち切るには3ポイントによる爆発力が欠かせないが、そのためには3ポイント以外で点をとらないといけない場面もある。そのためには何をするべきか、その大きなヒントは町田の12アシストに詰まっている。いろいろと変わらないといけない女子日本代表だが、町田の重要性は変わらないことが示された今大会となった。