ビクター・オラディポ

度重なる大ケガにキャリアを妨げられた天性のスコアラー

2023年4月に負った左膝の膝蓋腱断裂を最後にNBAから遠ざかっているビクター・オラディポが、『The Players’ Tribune』に公開書簡を寄せ、各チームのフロントに復帰の機会を求めた。

2013年のNBAドラフト全体2位でマジックに指名されたオラディポは、5年目のペイサーズ移籍を機にスコアラーとしての才能を開花させた。ペイサーズでの1年目で初めて20得点超えの23.1得点を記録。レギュラーシーズン75試合出場とフル回転し、プレーオフではファーストラウンドで敗退したものの、当時レブロン・ジェームズを擁するキャバリアーズを相手に『GAME7』までもつれる激闘の主役となった。

オールスターにも選ばれ、MIPを受賞するなど、『NBAの顔』となりつつあったオラディポだが、その後のキャリアは下降線をたどる。翌2018-19シーズンの開幕早々に右膝を痛め、強行出場を続ける中で右足大腿四頭筋腱断裂の重傷を負う。そこからはベストコンディションを取り戻せないまま移籍を繰り返し、2020-21シーズン途中にヒートに移籍して4試合目でダンクの着地時に右足大腿四頭筋腱を再び断裂した。

約1年の戦線離脱を経て復帰したオラディポは、かつての爆発的な加速力を失いながらもベンチからの得点源としてヒートで新たな役割を見いだす。ヒートでの3年目となる2022-23シーズンに6年ぶりに40試合以上に出場するも、プレーオフで左足の膝蓋腱断裂という悲劇に見舞われた。

その後、910万ドル(約14億円)の契約が残っていたオラディポはサラリー調整のためにヒートからサンダー、ロケッツ、グリズリーズへとケガでプレーできないまま何度もトレードされ、最終的には解雇された。この1年で中国で実戦復帰し、バックス傘下のGリーグチームでもプレー。今年7月のサマーリーグ期間中には、各球団のフロント向けにワークアウトを公開している。

過酷なリハビリと、精神的な浮き沈みを乗り越えた今のオラディポは「身体はようやく万全になった。『勝てるバスケ』がまだ自分の前にあると信じている」と綴る。

「この先どうなるかは分からない。どこかのチームがチャンスをくれるかもしれないし、くれないかもしれない。それはあなたたち次第だ」と結末への不安も率直に認めつつ、公開書簡の最後をこう締めくくった。「一つだけ約束できることがある。僕のバスケの物語は、最初から最後まで愛の物語だということだ」