すべて拒絶の噂を否定「彼の名誉のために誤解を解く」
ジョナサン・クミンガはティンバーウルブズと2年1240万ドル(約19億円)の契約に合意した。間もなく24歳となるスラッシャーは、ポテンシャルの高さを常に見せつつもウォリアーズのスタイルにフィットできず、ホークスを経てフリーエージェントとなり、ウルブズに格安の契約で加わることとなった。
クミンガの評価は必ずしも高くない。3ポイントシュートの確率が上がらず(昨シーズンは33.3%)、過去2年で83試合出場とケガも多く、何よりウォリアーズのスタイルに5年をかけてもフィットできなかったことでバスケIQの低い選手だと見なされている。その彼がウォリアーズからのオファーを断り続けた末に、希望する金額よりずっと低い2年契約を受け入れたのは『キャリアの選択における大失敗』と嘲笑されている。
この状況に彼のエージェントを務めるアーロン・ターナーが反論した。ケビン・オコーナーのポッドキャストに出演した彼は「実際に何が起きているか知らない人たちが好き勝手に批判している」と語る。
「すべてはジョナサンが『ウォリアーズが提示した5年1億5000万ドル(約230億円)の契約を拒絶した』というデマから始まっているんだ。発端はある記者が書いた『クミンガの望む契約はこの規模』という記事で、それが実際に存在し、ジョナサンが拒絶したオファーとして広まってしまった」
「ウォリアーズに2年を超えるオファーを出すつもりはなかった。ウォリアーズはケビン・デュラント獲得を検討しており、その場合はジョナサンを交渉に組み込むつもりだったから、契約延長はできなかった。実際にあったオファーで言えばサンズからの4年8800万ドル(約130億円)で、我々はそれを望んだが、ウォリアーズがサイン&トレードの条件を受け入れなかった。それなのに世間では『クミンガとターナーはすべてを拒絶している』と言われるんだ」
「去年の夏にはウォリアーズが2年4800万ドル(約72億円)をオファーしたという話が出た。実際にそういうオファーはあったが、実際は2年目がチームオプションで、保証された金額はその半分だ。今回、ウルブズとの契約は2年目がプレーヤーオプションだ。私は彼が損をしたとは思わない。自分が望む場所で、今この瞬間に集中してプレーできる。そこで良いバスケをすれば次に繋がる。現実的に彼は何も失っていない」
「稼ぐには結果を出す必要があり、そのためには良い環境に身を置くことが必要だ。彼はそのためにウルブズを選んだ。今回の選択に対する批判への回答は、『ジョナサンがキャリアで初めて自分で選んだ場所でプレーできる』だよ。新シーズンの彼は、健康でさえいれば自分がどれだけの選手かを証明することになる」
クミンガはホークスに残留するか、移籍するならレイカーズと見られていたが、ターナーはウルブズの熱意ある勧誘が効いたと明かす。ティム・コネリーGMはウルブズの求めるハードワークにフィットすると言い、アンソニー・エドワーズは「ウチは全員でディフェンスをするチームだ」と呼び掛け、ヘッドコーチのクリス・フィンチはクミンガがベンチから出るロールプレーヤーであることを否定し、「プレーオフで君には苦しめられた。その選手が欲しい」と口説いた。オーナーのアレックス・ロドリゲスもクミンガの勧誘に加わったという。
一方で、懸念がないわけではない。ウルブズはクミンガを求めているとは言っても、サラリーキャップに余裕はなく、1年ないしは2年限定の安価な戦力だから必要としているだけで、中長期のプランにクミンガは組み込まれない。ドレイモンド・グリーンは自身のポッドキャストでクミンガの新たな挑戦を祝福しつつ、「チームが上手くいかない場合、一番年俸の低い選手が犠牲にされる。アント(エドワーズ)やラメロ(ボール)は外せないんだ」と警告を発している。
ただ、ターナーはこれにも反論した。「トレードされる前のジョナサンは2250万ドル(約34億円)の選手だったのに、16試合連続で出場機会がなかった。お金は選手を守ってくれない。必要なのはロッカールームやコーチ、首脳陣との意見の一致なんだ」
そして、普段はメディアに登場しないエージェントがポッドキャストに出演する理由はクミンガを守るためだとターナーは言い、彼への注目を契約問題からコート上のプレーに移してほしいとファンに呼び掛けた。
「ジョナサンはただプレーを楽しみ、勝ちたいだけだ。その望みは何も悪いものじゃないのに、噂があまりにもエスカレートして、『3年7500万ドルを断った男』というデマが流れている。実際のオファーは1年2400万ドルか2年4800万ドルで、彼が今回の選択で失ったのは1000万ドルほどだ。彼はこれまで私が見てきた中でも最もバスケに真剣に打ち込む選手の一人であり、だからこそ彼の名誉のために誤解を解きたい。もっとも、周囲がどれだけ騒いでも、ジョナサンは新シーズンにすべての疑問への回答を出すはずだ」
オコーナーから「1年後の理想のシナリオは、どんな契約を得ることだろう?」と問われたターナーは「私もジョナサンもスマホの電源を切り、ビーチでバカンスを楽しんでいるのが理想だね(笑)」と答えている。
