
「優勝を争う機会が僕にとっては魅力的だった」
現地8月25日、クレイ・トンプソンのヒート入団会見がカセヤ・センターで行われた。背番号11を託されたトンプソンは、ヒートと2年1148万ドル(約17億円)の契約を締結。マーベリックスとのバイアウトで一部金額を放棄してまで移籍を決めた36歳は、この会見で今シーズンを「名誉挽回のシーズンだ」と位置付けた。
「シーズンを通して高いレベルで戦い、プレーオフで勝ち進むチャンスがあること。それが僕を惹き付けた。稼ぎを最大化したいと思うのはアスリートなら当然だけど、僕は以前に優勝を経験し、あれに勝るものはないことを知っている。プレーオフで勝ち進んで、そこで手痛い負けを喫したとしても、そのチャンスすら得られないよりずっと良い。もちろん負けるつもりはないけど、もう一度このレベルで戦い、優勝を争う機会が僕にとってはとにかく魅力的だったんだ」
この数年、クレイは全盛期から一歩下がった立ち位置にいた。膝前十字靭帯断裂、アキレス腱断裂という2度の大ケガを乗り越えたものの、ウォリアーズでのラストシーズンとマブスでの直近の2シーズンは3ポイントシュート成功率が40%を割り、得点も20を下回るだけでなく17.9、14.0、11.7へと落ち込んだ。ウォリアーズでは『スプラッシュ・ブラザーズ』の一角でありながら退団を促されたし、マブスではルカ・ドンチッチとともに優勝を狙うはずが、ドンチッチ放出により再建へと転じたチームで控えに回された。
We got shooters. 👀 pic.twitter.com/tb2qWJaWvD
— Miami HEAT (@MiamiHEAT) August 25, 2026
しかし、クレイは自分自身がまだ全盛期にあると信じており、それを証明するためにヒートを選んだ。会見の冒頭に同席したヘッドコーチのエリック・スポールストラは「ヤニスの獲得にあたってシュート力の補強が必要だった。そして今、バスケ史上で誰よりもそれを成し遂げてきた世界クラスのシューターがいる。どうフィットするか私が悩む必要はないよ。自然とフィットして、ヤニスだけでなく他のすべての選手の力を引き出してくれるだろう」と絶対的な信頼を語った。
その信頼こそ、クレイが求めていたものだ。「今も高いレベルでプレーできると思っている。長期離脱から復帰した当初は疑問視されていたかもしれないけど、僕にとってケガはもう過去のもので、考えることさえない。ヒートの練習は過酷だと聞いているけど、トレーニングキャンプ開始まで自分を追い込める5週間が楽しみだよ。2度の大ケガからの復帰は、どんな練習よりも大変だった。変な話だけど、そのおかげでどれだけ厳しい課題にも正面から立ち向かうことができる」
年齢を重ねたことによる変化についても率直に語った。「トレーニングのやり方は変えている。コート上の負荷も以前と同じではない。それでも練習量は昔と変わらないか、むしろ増えているぐらいだ。シュートを打つこと、バスケのプレー面の準備は簡単なんだ。それ以外の身体のメンテナンスこそが、この段階で活躍し続けるために必要なことだ」
ヤニスとのプレーについて問われると、トンプソンはかつての相棒、ステフィン・カリーとの共通点を挙げた。「一緒にプレーする3人目のMVPクラスだね。彼のペイントエリアでの得点力は史上最高レベルの一つだし、ジャンプシュートも大幅に良くなった。もう彼を下がって守ることはできない。ヤニスは素晴らしい才能と本当に強い勝利への意志を持っている。コートにすべてを残す人たちの側にいるのが僕は大好きなんだ」
最後にトンプソンは、自らの役割への覚悟を語った。「ここにいられるだけでうれしいわけじゃない。明確な役割を持ち、経験を生かしてチームを助け、シーズンの浮き沈みを乗り越える手助けをしたい。僕たちが目指すものを追いかけるのは、決して簡単なことじゃないからね」