『得点ファースト』をアピールすることができるか

普段は代表について個人名を出すイメージのない女子日本代表強化部会長の萩原美樹⼦が、メディアブリーフィングで名前を出した選手の一人が都野七海だった。

都野は大阪薫英女学院からトヨタ紡織サンシャインラビッツに加入した21歳のポイントガードで、コーリー・ゲインズヘッドコーチ体制の下で頭角を表し続けている。現在はWNBAに挑戦中の山本麻衣、Wリーグで3年連続でアシスト王に輝く町田瑠唯、世代を代表する田中こころと選手層の厚いガードでポジション争いを続け、5月に行われたラトビアとの強化試合の第1戦では、10アシスト9リバウンド2スティールと結果を残している。

現在の女子日本代表はアップテンポで強度の高いプレーを貫き続けるプレースタイルを目指している。萩原強化部会長も「タイムシェアをして、12人全員がゲームに絡むことで一人ひとりの疲労を軽減し、強度を保つことを徹底するしかない」と語っており、そのためにも田中や都野の力が必要だと続けていた。都野はこのようなコメントに対して、「期待の面も込めて名前を挙げてくださったと思うので、しっかりと期待に応えられるように頑張りたいですし、絶対残ってやるという気持ちで常にやっています」と、闘争心を燃やしている。

都野は代表定着に向けて一つずつ段階を踏んでいる。自身の強みは得点能力と仲間を生かせるバランスの良さにあると語るが、2次合宿以降はリバウンドに注力した。アップテンポなバスケットを志向するチームにあって、ガード陣のリバウンド参加は重要なカギとなるはずだ。チームで一番身長の低い159cmの都野が6月末から行われたオーストラリア遠征後も合宿に名を連ねているということは、この部分でもアピールに成功しているからであろう。

そして、ステップアップを続ける都野の今回のテーマは『得点ファースト』だ。ゲインズヘッドコーチからも「しっかりと得点を取りに行くことをファーストに考えてほしい」と伝えられている都野は、12人の枠に残るためにアピールを続ける。

「元からコーリーには『ガードが攻めれるところは攻めろ』と言われているので、しっかりとリングにアタックしていきたいです。でもそこだけになりすぎないようにして、攻め込めばフリーになるプレーヤーが出てくるので、バランス良く得点できるようにチームを回したいです」

得意としているフローターに加えて、「今回は3ポイントシュートも積極的に狙っていきたい」と語るが、その背景には、ワールドカップ予選で53.8%の3ポイントシュート成功率を記録し、トランジションオフェンスでのフィニッシャーとして存在感を見せていた平下愛佳が左膝関節前十字靭帯を損傷してチームを離脱したことも影響している。

平下の離脱によってアテンプト数が減ることを避けたく、都野は「ポジションが違うので難しい部分ではありますが、スリーのアテンプト数が減らないように意識して、しっかりと決め切れるように自分もチームも意識してやりたいなとは思います」と語り、こう続ける。「『打てるシチュエーションがあったら打っていけ』と言われているので、どんどん狙っていきたいです」

都野はWリーグでもシーズンを重ねるごとにアテンプト数を増やし、成功率も上げており昨シーズンは37.4%を記録している。この部分でも貢献できればロスター入りへまた一歩近づく。

女子日本代表は直前合宿の後に8月13日と14日に有明アリーナにて『三井不動産カップ2026 (東京大会)』で韓国代表と対戦する。この2試合が12人のロスター入りを懸けた重要な試合となることは間違いない。実力者が揃うガードポジションの枠を勝ち取り、シンデレラガールとなれるか。都野の挑戦は続く。