ナジ・マーシャル

クーパー・フラッグ中心のチーム作りを支える戦力に

マーベリックスはナジ・マーシャルと3年5220万ドル(約78億円)の契約延長に合意した。マサイ・ウジリ球団社長はこの契約延長に際し、「ナジは日々バスケに取り組む姿勢でこの契約を勝ち取った。彼の多様性とタフさ、あらゆる挑戦を厭わない姿勢は、我々が築こうとしているチームに欠かせない要素だ」とコメントを寄せている。

ペリカンズで無名の2ウェイ契約選手としてNBAでの挑戦を始めた2020年から、マーシャルは持ち前の運動能力を『泥臭いプレー』に注ぎ込むことで信頼を勝ち取ってきた。4年目の2024年にマブスと3年2700万ドル(約40億円)の契約を結んだ時点で彼にとっては大勝利だったが、その契約最終年を前にさらに大きな契約を勝ち取った。

15.2得点、4.7リバウンド、3.3アシスト。昨シーズンのスタッツだけを見れば、この金額に見合うかは疑問符が付く。15.2得点はキャリアハイの数字だが、3ポイントシュート成功率は29.1%と低調で、完全保証のこの契約が終わる2030年に彼は32歳になっている。

それでも、数字には表れない貢献度が今回の契約に繋がった。ガードからセンターまであらゆるポジションをマークでき、激しいながらも我慢強く、ファウルを極力避けながら相手にプレッシャーを掛け、長いリーチを生かしたディフレクションからトランジションの機会を作り出す。

そして、ルカ・ドンチッチ放出のショックが残り、アップダウンの激しかったチームにおいて、シーズンを通して安定感抜群のパフォーマンスを見せた。この『確実に計算できる』働きぶりこそが、マーシャルの価値だ。

クーパー・フラッグを軸とした再建を進めるチームに、カイリー・アービングが復帰する。そこで必要とされるのは主役を演じる選手ではなく『強力な脇役』であり、高い能力を持ちながら自己犠牲を厭わないマーシャルは格好の人材なのだ。ザッカリー・リザシェイやサンティ・アルダマの獲得も、この方針の下での補強だ。

マーシャル自身もマブスで長くプレーすることを望んでいた。2月のトレードデッドライン直前、いくつかのチームが彼の獲得に動いていたというが、そこで彼は「ルーキー・オブ・ザ・イヤーを勝ち取った選手と、キャリアの残りをともにプレーするのが僕の望みだ」と、マブスへの忠誠を語っている。

一方でPJ・ワシントンやクレイ・トンプソンの去就は、これで今まで以上に不透明になったと言える。派手さはなくとも、あらゆる局面でチームを支える男に『正当な評価』を与える。それがウジリが仕切るようになったマブスのやり方だ。