シェーファー アヴィ幸樹

若手ビッグマンへの思い「同じ仲間なので彼らがより良くなってほしい」

「歳をとったなと、率直に思います(笑)」

男子日本代表のディベロップメントキャンプに参加したシェーファー アヴィ幸樹はそう笑った。

かつては日本代表の若手有望株として先輩たちの背中を追い掛けていたシェーファーだが、若手中心のメンバー構成である今回のキャンプでは最年長選手となった。ただ、驚きはせよ、その立場をネガティブには考えていない。

「長いことずっと下のほうにいたので。気づいたらこんなところにいて、自分でもびっくりしています。彼らから吸収できるものは吸収しつつ、自分が教えられることは教えて、全体として底上げができるようにやっていきたいです」

今回のキャンプには海外組を含む、エネルギッシュな若手ビッグマンが数多く集まった。シェーファーも「若くて勢いのある人たちばかりで、ダンクもガンガンいけますし、すごいエネルギーがあります」と若手ならではの勢いを実感している。それでも「経験では誰にも負けてない」と言い、代表ビッグマンの枠を譲るつもりは毛頭ない。

今回の強化合宿は『Get Better』と『Embrace the Competition』がテーマで、後者は競争を楽しむことを意味している。先述したように、シェーファーは若手へ惜しみないアドバイスを送るが、それは敵に塩を送ることにも繋がる。それができるのは、これまで代表に選ばれ続けてきたプライドと自信があるからで、シェーファーは「教えても負けないです」と言い切った。

「教えてそれを上回られたら意味はないですが、教えられるだけちゃんとやってきた自負があるので。ビッグマンの中ではシュートも一番上手いと思っていますし、やり続けたら負ける気はしないです」

だからこそ、積極的に若手を巻き込み、伝えられることをすべて伝えている。「今合宿のように若くて良い選手がどんどん出てきているので、全員を巻き込んでいきたいです。固定メンバーじゃなく、そこを脅かす選手がどんどん出てくると良い循環が生まれてくると思うので。もちろんライバルとしてという気持ちはありますけど、同じ仲間なので彼らがより良くなってほしいし、リーグ戦で日本人ビッグマンのプレータイムをもっと増やしてほしい。そういう意味でも、みんなにもっと上手くなってほしいですし、僕ももっと頑張れるなと」

そんなシェーファーにとって、今年2月に行われた『ワールドカップ2027アジア地区予選』window2は大きな意味を持った。ケガの影響もあり、トム・ホーバス前体制では長く代表から遠ざかっていたが、中国戦と韓国戦でコートに立った。「プレータイムは短かったですが、もう一回戻ってこれて、皆さんの前でプレーできたのはすごく大きかったです。あの感覚をもう一度味わいたいですし、自分がいるべき場所だとあらためて感じることができた2試合でした」

若くから代表に呼ばれ、地道な努力を続けてきたことで、Bリーグでも結果を残せるようになった。ケガも乗り越えた現在の彼はどこか達観したように映る。ここでも「単純に歳をとったから(笑)」と笑顔を見せたが、「コツコツです。毎日やり続けた結果、ちょっとずつ上がってきた」と言い、成長の歩みを振り返った。

「ケガをして周りを見ることが多くなったし、自分の立ち位置や役割だったり、いろんなことを考えるようになりました。ゲームから離れたことで、試合中に慌てることが多かったですが、落ち着いてプレーできるようになりました。Bリーグでもプレータイムを得たことから自信もついて、やり続けてきたからフィニッシュ力が上がったと思っています。今シーズンの2ポイントは60%(実際は61.4%)を超えたので、そこを最低ラインに。各国の代表ビッグマンは70%とかで決めてくるので、自分もそこのレベルに行けるようになりたいと思っています」

キャンプのテーマである『成長』と『競争』。その2つを高いレベルで体現するシェーファーはコート内外で日本に必要な存在だ。