動かない役所に代わり、カリーが動く
ウォリアーズにとって、オークランドは球団が根を張った土地にあたる。来シーズンからはサンフランシスコに建設したチェイス・センターが新たなホームアリーナになるが、オークランドは、これからもウォリアーズにとってのホームとしてあり続ける。
その地元にある荒れ果てた屋外バスケットボールコートを修繕するため、ステフィン・カリーが一肌脱いだ。
事の発端は、オークランドで活動しているミュージシャンのTwitterだった。
Nimsinsと名乗る彼は、コンコーディア・パークという荒れ果てた屋外コートの様子をTwitterに投稿。コートはヒビ割れ、片側のフープが無いほど荒れ果て、ゴミ箱すら設置されていない。地元の子供たちのため、Nimsinは行政に300回を超えるほど陳情するも、役所は動かなかった。これに業を煮やした彼は、昨シーズン終了後の6月下旬、Twitterの投稿にウォリアーズ、ドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニーらのアカウントを記入し、協力を求めた。
So Look Bruh,
City Of Oakland Won’t Fix Our Courts. I Called 311 hella times, been waiting for almost half a year. We don't have lights, trashcans, smooth pavement, nor a second backboard/hoop. Can yall come through??@warriors @1jordanbell @Money23Green @Loon_Rebel5 @_Alvo_ pic.twitter.com/XpEXGf53MT— Nimsins (@nimfromthaeast) June 27, 2019
この投稿には紐付けされていなかったものの、話を知ったカリーが動いた。
この時期、カリーはパートナー契約を結んでいるアンダーアーマー主催のアジアツアーのため、アメリカを離れていた。『SF Gate』によれば、現状を知った彼は、アンダーアーマーに修繕の協力を求めたという。
その結果、コンコーディア・パークは大変身。コートも綺麗に舗装され、カリーのシグネチャーモデル『Curry 6』のキャッチフレーズでもある『Ruin The Game(塗り替える ゲームを進化させる)』、彼のモットー『I can do all things(なんだってできる)』、ウォリアーズのスポンサーでもある楽天とカリー夫妻が共同で行なっている『Eat Learn Play』の文字がデザインに使用され、見違えるほどのパークに生まれ変わった。8月5日には完成披露のイベントが行われ、発起人となったNimsinとカリーが顔を合わせた。
Nimsinは、カリーとのツーショットをInstagramに投稿し、カリー、アンダーアーマー、『Eat Learn Play』への御礼メッセージを綴った。
「Twitterのフォロワーが80人しかいない俺なのに、ステフィン・カリー、アンダーアーマー、Eat Learn Playのおかげで夢が叶った」
カリーの行動力により、地元のバスケットボール文化は次世代に受け継がれていく。