脇真大

岸本の言葉で「ディフェンスのギアが1つ上がりました」

琉球ゴールデンキングスは長崎ヴェルカとのBリーグファイナル第1戦に71-69で勝利し、2022-23シーズン以来の優勝まであと1勝に迫った。

スコアが示すように試合は拮抗した。桶谷大ヘッドコーチも「どっちのチームも良さが出た試合」と振り返りつつ、ポゼッションゲームを制したことが勝因になったという。「長崎さんは僕たちにターンオーバーを17させてます。逆にキングスはオフェンスリバウンドのところをドミネート(支配)しました。ポゼッションゲームで勝負してきたんですけど、今回は僕たちがそれを上回りました。自分たちが武器にしてきたセカンドチャンスポイント、リバウンドっていうところがここに表れていると思います」

桶谷ヘッドコーチが言うように、琉球はオフェンスリバウンドで21-12、セカンドチャンスポイントで16-10と上回った。ターンオーバーでは17-12と後手を踏んだが、フィールドゴール試投数も68-62とし、攻撃回数が結果的に勝敗を分けた。また、長崎は5人が31分以上のプレータイムだったのに対し、琉球は30分越えが33分14秒プレーしたヴィック・ローのみと、タイムマネジメントができていたことも結果に少なからず影響を与えただろう。フレッシュな選手が次々とフィジカルに当たることで、長崎の選手が心身ともに疲弊していったことは想像に難くない。

脇真大は13分41秒のプレータイムで3得点2リバウンド1アシスト1スティールを記録。スタッツは決して派手ではないが、スタンリー・ジョンソンらを自由にさせないフィジカルなディフェンスに加え、積極的なリムアタックでオフェンスにリズムを与えた。脇は勝利に浮かれず、逆に気を引き締める。

「17ターンオーバーをしているので、改善しないといけないです。今日は相手がシュートを落としてくれたのでこうやって僕たちのゲームになりました。明日は多分長崎さんも修正してきて、全部シュートも決めてくると思うので、まずはターンオーバーをなくすこと。しっかり良いシュートを打って、リバウンドに繋げていければ、また僕たちのゲームに持っていけるんじゃないかと思っています」

琉球は序盤に抜け出し、長い時間主導権を握っていたが、第3クォーター中盤に逆転された。ここで崩れてもおかしくなかったが、タイムアウトを取って立て直し、再び突き放した。脇はこの時間帯に、パスミスをした直後に自らパスカットし、ローの3ポイントシュートをアシストするビッグプレーを見せて勢いを与えた。簡単に崩れない安定感が光ったが、脇はこの逆転された直後のタイムアウトで岸本隆一が放った言葉がチームを一つにまとめたと明かした。

「タイムアウトの時に『上手くオフェンスができないことが原因でディフェンスをやらないのはなしだぞ』ということを隆一さんが声をかけてくれて。僕たちの心に響きましたし、そこでしっかりディフェンスのギアが1つ上がりました。そこから自分たちのバスケットが展開できたと思っています」

脇はこの成功体験を生かし、連勝での優勝を狙う。「明日はまた違ったゲームになると思いますが、流れを持っていかれてもディフェンスで止めれば関係ないので、チームとして守っていきたいと思います。今日よりももっとファイトしないと、上には行けないと思って戦いますし、40分間しっかり戦い切って勝利したいです」