「ペイントタッチをしてほしかったですが、逃げまくっていました」
琉球ゴールデンキングスは4月15日、アウェーで名古屋ダイヤモンドドルフィンズに痛恨の逆転負けを喫した。琉球はこの試合まで8連勝と調子を上げ、西地区2位の名古屋Dと2ゲーム差で今節を迎えた。今シーズンの両チームの対戦は2度のみで、12月の1戦目は13点差で敗れている。今回14点差以上で勝てれば同率となった時に順位が上となり、地区2位が完全に視界に入ってくる大一番だった。
名古屋Dは、前節試合に続いてゴール下の要であるスコット・エサトンがコンディション不良で欠場。琉球は前半、名古屋Dのサイズダウンしたラインナップを突いてペイントアタックで主導権を握ることで、インサイドアウトから効果的に3ポイントシュートを沈め、13点リードと理想的な展開でハーフタイムを迎える。
しかし後半に入ると琉球は、名古屋Dの前から激しくプレッシャーをかけてくるディフェンスに受け身となり、積極性を失う。さらに第4クォーター中盤から相手ビッグマンのアラン・ウィリアムズが4ファウルの状況にもかかわらず、持ち味であるインサイドアタックをしつこく仕掛けることなく、外からのタフショットが続く悪循環に陥ってオフェンスが停滞し、試合をひっくり返された。
ここ一番で齋藤拓実と今村佳太がタフショットを沈め、攻守ともに高い遂行力を見せた名古屋Dの戦いぶりは見事だった。ただ、桶谷大ヘッドコーチは「今は感情的になっています」と厳しい口調で試合を振り返った。
「後半もっとペイントタッチをしてほしかったですが、逃げまくっていました。ウィリアムズ選手のファウルが4つなのに全然アタックしない。そして勝負どころで拓実、佳太を追いかけない。ファイトはしていましたが、やりきれていない。名古屋さんはやるべきやることをやって初めて、ギリギリ勝てるかどうかの相手です。今日はやりきっていなくて負けているので最悪です。そこに尽きます」
「14点差で勝てば、ウチの状況がよくなることは選手にも伝えていました。後半も勢いに乗っていけたらよかったですが、後半の頭で打つべきシュートを打たずに『あれ?』となってリズムが崩れ、ターンオーバーを重ねてしまいました。ああいうプレーでは勝てないです」
チームはこの試合の前まで連勝街道を歩んでおり、指揮官も「チーム状況が悪いとは思っていないです」と言う。ただ、シーズン当初と比べると着実に地力がついているからこそ、大一番でそれを発揮できなかったことへの憤りを隠さない。
「自分たちはやりきるメンタリティ、覚悟を持たないといけない。この負けで、選手たちが『覚悟を持ってやらないと勝てない』と思ってくれたら良いですが、『優勝するんだろう! 何をやっているの?』という話です。今日は第3クォーターで相手に『今日の琉球はメンタルがやられているな』という姿を見せてしまった。僕は選手たちに、本当に発破をかけたいです」
「『何が何でもくらいついてやる』という覚悟が抜けてしまっていた」
昨シーズンまで4年連続でファイナル進出を果たしている琉球がここ一番で勝ち続けてこられたのは、相手よりもタフに泥臭くハードワークを貫き、劣勢になっても自分たちのやるべきことを愚直にやり続けてきたから。今回の試合は、この自分たちの根幹が揺らいでしまうプレー内容だった。
「口は悪いかもしれないですが、チャンピオンシップは『やるか、やられるか』で、やらないチームは蹴落とされてしまいます。やられる前に自分たちがしっかりやらないといけない。そのメンタリティが今日は足りなかったです。今までは我慢できずに自滅でやられていました。今日は自滅というより『絶対に負けない』『何が何でもくらいついてやる』という覚悟が抜けてしまっていたと思います」
このように桶谷ヘッドコーチは危機感を露わにし、「この前、(Wリーグで優勝した)デンソーの髙田真希選手が、『成功する人は成功するまで続けた人』とやり続ける大切さを話していましたが、まさしくそういう世界だと思っています。選手たちも勝ちたかったと思いますが、覚悟が足りていなかったことを分かってもらいたい。やりきってほしいです」と続ける。
週末、琉球はホームで、チャンピオンシップへの望みを繋ぐため必勝体制で戦っている三遠ネオフェニックスを迎え撃つ。指揮官は「三遠はものすごくファイトしてくるチームで、受け身になったら絶対に負けてしまう。今日の感じでは勝てないです」と語り、今回の反省をしっかりと改善し、成長の糧にできるのかを試す絶好の試金石となる。
「名古屋さん相手にここまで戦えたのは間違いなく、チームとしてレベルが上がってきているからだと思います。ただ、『メンタルも実力』と言われたら、そうかもしれないですが、今日の試合は自分たちの持っている力を出しきれなかった。『あれをやっておいたらよかった』という部分をなくしていきたいです」
こう会見を締めくくった指揮官の期待に応え、ここからキングスらしい、やりきる力をしっかりと出し切れるのか。琉球はチャンピオンシップに向けた大きな正念場を迎えている。

