30点差で大敗した三河戦後、選手同士で本音の話し合い
4月15日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズはホームで琉球ゴールデンキングスと対戦。前半を劣勢で折り返すも、後半に本来の強度の高いディフェンスを取り戻し80-76で逆転勝利を収めた。名古屋Dはこの勝利で今シーズンの琉球戦の成績を2勝0敗とし、3ゲーム差で追われている琉球とシーホース三河を直接対決で上回ったことで、チャンピオンシップ初戦のホーム開催権の獲得に大きく前進した。
名古屋Dは三河に30点差で大敗した前戦に続いてスコット・エサトンが欠場。ゴール下の要を欠いたことも響き、立ち上がりから琉球のペイントアタックに苦戦し、前半を13点ビハインドで終える。しかし、後半に入ると、前からの激しいプレッシャーで琉球のリズムを崩して流れを引き寄せ、リーグ屈指のサイズを誇る琉球相手にも全員が強気のプレーを続け、ゴール下での肉弾戦で主導権を握る。
こうして持ち前の堅守を取り戻した名古屋Dは、後半に限ればわずか29失点と琉球オフェンスを抑え込む。そして接戦で迎えた第4クォーター終盤、齋藤拓実のペイントアタックからのレイアップやフリースロー獲得、今村佳太の3ポイントシュートなどで琉球を突き放し激闘を制した。
この試合、第4クォーターでの11得点を含む22得点を挙げた齋藤は、三河戦の大敗から見事な修正で難敵を撃破できた理由として、選手間によるミーティングを挙げる。
「三河戦のゲーム2でああいった試合になってしまい、選手同士でしっかりと時間をとって本音で話し合いました。そこで、選手同士が『こういうプレーをしてほしい』と求め合わないと良くなっていかないとなりました」
「僕自身もシーズンを通して、それぞれと個別だったり、コーチを通したりしてコミュニケーションを取ってきました。それをあえて選手全員の前で話すことで、共通認識を持たせることができたと思います」
「みんなが同じ方向で戦うことができたのがすごく良かった」
試合終了のブザーが鳴った後、齋藤は大きくガッツポーズをして叫んだ。琉球との上位対決とはいえ、レギュラーシーズンの試合らしかぬ感情の爆発には、ここしばらくチームが直面していた困難を乗り越えてステップアップができたという手応えがあった。
「レギュラーシーズン60試合のうちの1試合ではありますが、シーズン終盤での同地区の上位対決で負けられない部分はもちろんありました。ただ、そういった要素より、チームとして上手くいっていなかった時、選手でしっかり話しあって、40分間ではないにせよみんなが同じ方向で戦うことができたのがすごく良かったと思っています」
「そして、こういう会見の場で話せるような内容ではないですが、チームとしても僕個人としてもこの1ヵ月でいろいろなことが起きて、メンタル面でも不安定になってしまったところがありました。その中でも勝ちたい気持ちは選手もコーチとみんな一緒で、今回のようなクロスゲームでチーム一丸となって最後まで戦えた。シーズン終盤にこういうゲームができたのはチームにとって本当にプラスです」
先週、名古屋Dは水曜ゲームで京都ハンナリーズに敗れ、三河とのゲーム2でも大敗と嫌な流れになりかけていたが、今回の勝利でそれを払拭。西地区首位の長崎ヴェルカが敗れたことでゲーム差1へと縮め、地区1位の座も射程圏内となってきた。
エサトンのコンディション面は気になるが、ショーン・デニスヘッドコーチは次のように語る。「それよりも私が気にしているのが、いかにウチらしくできるか。『Be Us(ウチらしくあろう)』といつも言っています。ここ数週間は少し自分たちの戦いを見失っていましたが、今日、後半で見事に巻き返してくれたことをコーチとして本当に誇りに思います」
指揮官は、「自分たちには力があることを示せましたし、これから常に本来の力を発揮することが最も重要になります」と言葉を締めくくった。名古屋Dにとってこの試合は、1つの大きな山を乗り越えての価値ある勝利となった。

