田代直希

「苦しい場所に自ら落ちていってしまったような感じ」

4月11日、千葉ジェッツはホームで滋賀レイクスと対戦。最終クォーター開始約1分半に金近廉の3ポイントシュートでこの試合最大となる16点のリードを奪ったが、ここから0-15のビッグランを許すと、最後まで立て直せずに67-72で敗れた。

千葉Jは第3クォーター終了時点で14点をリードしていたが、決して内容は良くなかった。ピック&ロールからズレを作ろうとするも滋賀のダブルチームに手を焼き、ディフェンスを崩せないままショットクロックが少なくなってタフショットを打たされる場面が散見された。セカンドチャンスポイントで19得点を挙げたことでリードを保っていたが、最終クォーターは一つもオフェンスリバウンドを奪えなかった。また、ディフェンスも機能していたとは言い難く、何度もノーマークで3ポイントシュートを打たれており、『助かっていた』印象のほうが強い。

そして一番気になったのは、ミスをした際のリアクションだ。ズレを作っても息が合わずにパスが繋がらず、ポゼッションを相手に渡しては下を向いた。チームの雰囲気が良ければ、次のアクションに向けて誰かが声をかけたり、当事者同士ですぐにプレーの確認をする。だが、この試合でそういった場面はあまり見られなかった。直近の3試合で先発を務めている田代直希も「今日は特に(噛み合わない感覚が)あったと思います」と振り返る。

「パスがうまいこと繋がらなかったり、キャッチしきれなかったり。狙いたい場所にパスをしたらいてくれなかったり。ずっと歯車がズレたまま動いていて、終わってみるとすごく大きなズレになってしまった。僕の主観ですが、それが第4クォーターの最後の部分に繋がってしまったと思います」

こうしたいろんな意味でのズレは以前からあったという。しかし、それでも勝利を積み重ねることができていたことで、目の前の課題にしっかりと向き合ってこなかった。そのツケが今になって回ってきたと田代は言う。

「深く掘ると、こういうのはシーズン序盤からずっとあったことです。しっかり危機感を持たなきゃいけなかったのに、勝ったからそういったことに目を向けられなかったというか。僕たちがシーズンを通してずっとやり続けてきた結果が、今ここで出てきてしまっている」

もちろん、すべてが悪かったわけではない。後半の出だしは連動したパス回しから連続で3ポイントシュートが決まり、ターンオーバー奪取から速攻に繋げる場面もあった。田代も「1クォーターの後半から2クォーターにかけては自分たちのバスケが展開できたと思いますし、3クォーターも良い流れに乗って展開できた」とポジティブな面にも目を向ける。それでも今回の敗戦により、群馬クレインサンダーズに抜かれて東地区3位に転落し、ワイルドカード3位になったことを重くとらえている。

「順位も入れ替わって、またさらに苦しい場所に自ら落ちていってしまったような感じがします。本当に強いチームは最後に勝ちきることができると思っているので、(勝利)目前で取りこぼしてしまった喪失感はあります」

レギュラーシーズンは残り10試合を切り、ワイルドカード争いは過去最高レベルで混沌としている。ここで変わらなければ、取り返しのつかないことになるだろう。田代は自らに言い聞かせるように、こう締めた。

「一つのミスも許されないぐらい、本当に崖っぷちに立っているという気持ちでバスケットをしなきゃいけない。今のメンタリティだけじゃ勝ちきれないことを僕たちはもう学びました。過去から学んで、メンタリティを準備して、エナジーを出し切る。それをチームとして追求していかなきゃいけないと僕は思います」