U19女子日本代表

高さにアジャストした日本が先行

U19ワールドカップ、グループDを2位通過した日本は、決勝トーナメント初戦でハンガリーと対戦した。

序盤は高さで上回るハンガリーのインサイドプレーを止められず、ペイントエリアでの失点がかさみ先行された。大黒柱の竹原レイラが早々に2つのファウルをコールされるなど、苦しい展開が続く。この重い立ち上がりを救ったのが奥山理々嘉だ。

グループリーグではプレータイムを制限され不完全燃焼だった奥山だが、高さに勝る相手を巧みに押し出し、リングから遠ざけることでシュートを落とさせた。ディフェンスが機能し始めたことでオフェンスにもリズムが生まれる。トランジションからの3ポイントシュートや、ドライブからのバスケット・カウントなどビッグプレーが続き、19-15と逆転して第1クォーターを終えた。

第2クォーター序盤は、池田沙紀がスティールから速攻を決めるなど攻守が噛み合い、開始2分で8-0と走ってリードを2桁に乗せた。

しかしその後は時間が進むにつれて、池田や東藤なな子を筆頭にミスマッチからのドライブが決まったオフェンスに対応されていく。速さで勝っても、相手の高さが気になりシュートが決まらず、ブロックショットを浴びるシーンも多々あった。それでもリングにアタックし続けた日本は、47-37と10点をリードして最終クォーターを迎えた。

U19女子日本代表

停滞した場面で輝いた『個の力』

これまで以上にインサイドを強調され、強引なドライブを止められず失点を重ねた日本は点差を詰められていく。

攻守ともに停滞していた日本だったが、これを個人技により打開していく。竹原レイラがポストプレーを仕掛けては巧みなステップで相手をかわし、シュートファウルを獲得しフリースローでも繋いだ。

極めつけは東藤なな子だ。ドライブで抜ききれないと見るや、ターンアラウンドからフェイダウェイ気味のシュートを決める。そして、ユーロステップや緩急を使ったドライブからビッグショットを次々と沈めていった。

1ポゼッション差まで迫られた日本だが、こうした個の力で耐えたことでハンガリーを焦らせる。最後まで運動量が落ちずに走り続け、76-68と接戦をモノにした。

素早いパス回しと連動性、そしてトランジションを軸にする日本だが、それらが封じられた時に個の力で打開し、勝ちに持っていけたことは大きな収穫だ。

ベスト8に駒を進めた日本は明日の休養日を挟み、タイを88-47で退けたベルギーと対戦する。