髙田真希

「判断力がまだまだ足りていないところが多い」

女子日本代表は、311日から17日にかけて開催された『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』で23敗のグループ4位という成績を挙げ、9月にベルリンで行われる本大会への切符を獲得した。

今大会の日本はハンガリー、オーストラリア、トルコ相手にいずれも第4クォーター後半での失速によって競り負ける悪夢の3連敗スタート。しかし次戦でカナダに競り勝つと、最終戦のアルゼンチン戦は44点差で圧勝。そして、オーストラリアがカナダに勝利したことで崖っぷちの状況から生き残った。

ベテランセンターの髙田真希は、今大会もゴール下の守備の要として奮闘。185cmの髙田よりもサイズ、フィジカルで上回る相手ビッグマンに対し、鋭い読みとテクニックを駆使して堅実なディフェンスを続けた。66-62で激闘を制したカナダ戦、第4クォーター残り29秒で髙田が誘発したオフェンスファウルは、彼女のディフェンスのうまさが凝縮されたビッグプレーだった。

このカナダ戦の勝利は日本に大きな勢いをもたらし、続くアルゼンチン戦での圧勝に繋がった。アルゼンチン戦の終了後、髙田は「(カナダ戦で)自信がつき、自分たちが何をしなければいけないのか分かったと思います。試合を重ねるごとに少しずつ良くなっていった実感はあります」と振り返る。

試合をこなすごとに確かな成長を見せた日本だが、それでも23敗という結果が示すように、確かな収穫と同時に課題も露呈した。髙田はこう語る。

「判断力がまだまだ足りていないところが多いです。オフェンスでアジャストされた時、自分たちがどう動いたら良いのかの判断について、積み重ねていかないといけない部分がたくさんあります。選手の中で、まだ阿吽の呼吸ができていないことが大会を通して印象に残っています。最初から最後まで自分たちがやりたいことができれば、アルゼンチン戦のような展開になりますが、強豪はやりたいことを絶対に止めてきます。強豪相手に前半は自分たちのプレーができても後半はできなくなる、足が止まってしまうところが課題です」

髙田真希

「対応力を上げるには強い相手との実戦経験が大切になってくる」

この阿吽の呼吸を作り上げていくには、シンプルにより多くの練習が必要だ。今大会の日本は、他国に比べれば多くの活動期間を経て大会に臨んだ。とはいえ、コーリー・ゲインズヘッドコーチが「国内で1週間の合宿を行った後、リトアニアで練習試合を2試合行って大会を迎えました」と語るように、難敵揃いで苦戦が予想できた中で十分な準備ができていたとは言いがたい。

髙田が「一人ひとりの身体能力が高ければ、合流してすぐにでも良いプレーができると思いますが、フィジカルが足りない分、日本は本当に緻密にやっていかなければいけないです」と語るように、組織力を高めるための準備期間がこれまでと比べて不足していなかったのかどうか、この点についてはしっかりと検証すべきだ。

さらに髙田は、9月のワールドカップ本大会で日本が勝ち進むために、より質の高い準備を行うべきだと提言した。

「練習ではできているけど、試合でできない。それは練習で『自分たちより大きい選手やうまい選手が、自分たちのやりたいことを読んで止めてきた時にどうすればいいのか』という段階までたどりついていないからだと思います。そういった意味で、自分たちより強豪を相手にする親善試合の大会や練習試合を重ねないと、身につかない部分もあるのかなと。今回、1試合ごとに良くなっていけたのは選手の中で『こう止められたらこうしよう、ああしよう』という対応がどんどん良くなっていたからだと思います。対応力をもっとつけるには、強い相手との実戦経験が大切になってくると思います」

そして、チームの中でも屈指の安定感を見せた自身のパフォーマンスについては、「ディフェンスを一番に考えている中、もっとやらなければいけないこと、もっとできることはあります。そこを自分の課題としてやっていく必要があります」と厳しい自己評価を下した。

また、190cmを超える選手が3ポイントシュートを打つのが当たり前になってきた、進化を続ける世界のトップ選手たちに刺激を受けている。「世界を見ると上手い選手がたくさんいます。年々、大きくて技術やアジリティのある選手が増えており、自分もディフェンスの幅をもっと広げないといけないです。自分はもっと上手くなりたい気持ちを持っているので、まだまだ満足はしていないです」

この予選トーナメント、日本は苦しんだからこそ得られた収穫も大きかった。ただ、同時にこのままでは本大会で勝ち上がることは困難という現実を突きつけられた。髙田が語るように9月の本大会に向け、いかに強い相手との実戦を重ねていけるかは重要なポイントだ。難しいことは重々承知しているが、毎年夏に行われている国内での強化試合でワールドカップ出場国との対戦が実現することに期待したい。