「ワンプレー毎に強い気持ちを込めて戦えれば結果はついてくる」

男子日本代表の『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window2が終了し、次は女子日本代表が『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026』予選トーナメントに臨む。日本はオーストラリア、カナダ、トルコ、ハンガリー、アルゼンチンと同じグループに振り分けられ、トルコのイスタンブールで戦う。昨年のアジアカップ女王で出場権を獲得しているオーストラリアを除く5カ国の中で3位以内に入ることができれば、9月にベルリンで開催される本大会への切符を与えられる。

カナダ、ハンガリーはパリ五輪の最終予選で日本と最後まで激闘を繰り広げた強豪で、開催地のトルコ、アルゼンチンも難敵と、勝ち星が計算できる相手は一つもないと言っても過言ではない。そんな厳しい予選トーナメントに臨む代表のキャプテンに任命されたのがベテランの宮澤夕貴だ。

富士通レッドウェーブでWリーグ連覇の立役者となり、代表でも昨夏のアジアカップでは尻上がりに調子を上げ、準決勝の中国戦、決勝のオーストラリア戦と2試合連続で19得点をマーク。ベテランの域に入っても日本女子バスケ界屈指の選手としてハイパフォーマンスを続けている。

実力、実績、統率力とリーダーとして申し分ない資質を備える宮澤は、キャプテンに指名された時の思いを明かす。「これまで髙田(真希)選手がやっていたので、『あ、次は私か』という気持ちで、うれしいというより責任の重さを感じました」

そして、自身の目指すキャプテン像については、「今のチームは全員で作っていくチームだと思っています。私がまとめるというより、選手個々の良さを引き出したい気持ちです。そしてベテラン、キャプテンとして、チームが迷った時に立ち返ることのできる軸を、私自身はしっかりと持ちたいです」と、支えるタイプを目指すようだ。

パリオリンピック終了後、コーリー・ゲインズヘッドコーチ体制となってからの日本は田中こころ、今野紀花、薮未奈海といった若手がアジアカップで主力を務めるなど、若返りを図っている。リオ、東京、パリと3度のオリンピック出場を果たした百戦錬磨の宮澤に、若手に伝えていきたいことを聞くと「前回の大会(アジアカップ)でも若手を中心に言いましたが、日本代表のユニフォームを着てコートに立つこと、試合ができることの重さを伝えたいです」と語る。

「日本代表に入ることは当たり前ではないです。代表になりたくてもなれない選手がいて、そういう選手の思いや代表であることの自覚、責任を選ばれた選手はプレーでしっかりと表現しなければいけないです。そこは私が若手の時から代表を経験してきた中で、先輩たちが見せてくれた部分で、しっかりと伝えていきたいです」

冒頭で触れたように今回のワールドカップ予選は、5試合すべてが全く気の抜けない相手だ。すべての試合で自分たちの目指すプレーを体現することが理想だが、現実は山あり谷ありの過酷な戦いとなるだろう。経験豊富な宮澤はそのことを理解した上で、目先の試合、もっと言えば1つひとつのポゼッションで全力を尽くす積み重ねの大切さを強調する。「まず、目の前の試合を勝ちに行く。若手だとか、ベテランだとか言い訳をせず、しっかり日本代表としてワンプレー毎に強い気持ちを込めて全員で戦えれば、しっかりと結果はついてくると思います」

そして、結果に何よりもこだわることを前提とした上で、「1試合ずつ、しっかりと価値のあるものにしたい」と、この予選を通してチーム力を高めることを意識する。

東京オリンピックでの銀メダルを筆頭に、宮澤は国際舞台で様々な栄冠を勝ち取ってきた。それでも彼女の日本代表への思いは変わらない。昨夏のアジアカップで準優勝に終わった後、「日本のために頑張りたいという気持ちだけです。チームに必要不可欠な存在であり続けられるようにこれからも頑張っていきたいです」と語っていた。

この過酷なワールドカップ予選で日本が本大会への切符をつかみとるためには、宮澤がいつも通りのハイパフォーマンスを見せてくれることが必要だ。