富永啓生

「前半は自分たちらしいバスケットを繰り広げることができた」

バスケットボール男子日本代表は『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window2の中国戦を80-87で落とした。

前半は完全に日本のペースだった。連動性溢れるオフェンスを展開し、フィジカルかつ素早いローテーションディフェンスでイージーシュートを許さず、2桁のリードを得た。しかし、後半に落とし穴が待っていた。ボールマンプレッシャーを強めた中国に対し、日本はターンオーバーを連発し、トランジションから簡単に失点しまう。オフェンスの崩壊によってディフェンスも前半のような強度を失い、0-13のランで一気に貯金を吐き出した。

西田優大とともにチームハイの14得点を挙げた富永啓生は、この事実を冷静に振り返る。「前半はスターターの5人がしっかり試合のトーンをセットしてくれて、自分たちらしいバスケットを繰り広げることができました。でも第3クォーターは真逆になりました。自分たちのイージーなミスから相手の得点に繋がるシーンがあって、そこから流れを戻すのが難しくなってしまい、最後までズルズル行ってしまったと思います」

同点で迎えた第3クォーター残り3分31秒、富永はコートに送り出された。このまま一気に飲み込まれてもおかしくなかったが、富永はここから5得点を挙げ、第3クォーター終了時点でのビハインドを2に留めることに貢献した。「もちろん流れは悪かったです。そこで何ができるかと考えた時に、オフェンスでは3ポイントを打ち切って決めることが間違いなくチームに勢いをもたらします。あとはディフェンスでハードワークして、一本しっかりストップしてくというのが、チームの流れを戻すことだと思っていました。できた部分はあったんですけど、相手に3ポイントを立て続けに決められることがあったので、そこでちょっと流れを取りづらかったです」

その後、劣勢に立たされた日本だったが何度か同点に追いつくなど、逆転の目はあった。特に5点ビハインドの場面で富永が3ポイントシュートを射抜き、さらに富永がエースのジャオ・ルイから個人5個目のファウルを誘い、エースをベンチへ追いやったシーンは会場の誰もが『まだいける』と感じた場面だった。

富永も「自分たちも間違いなく皆さんと同じ気持ちだったと思います」と言う。ただ、「あそこで流れをこっちに持ってこれかけたというか。自分たちの流れに絶対に来かけましたが、(完全に)持っていくことができなかったのが敗因の一つであるのかなと思います」と続けたように、その後はビッグマンのインサイドプレーを止められずに離されていった。

中国の後半のアジャストは見事であり、地力の高さを認めざるを得ないだろう。だが、日本も前半を14点リードで終えたことは誇るべきで、桶谷大ヘッドコーチ新体制の可能性が感じられた。そして、あらためて富永のオフェンス力が日本の起爆剤となることも証明された一戦だった。