
指揮官も満足はしていないディフェンス面
秋田ノーザンハピネッツは7勝32敗、リーグ最下位でバイウィーク期間に突入した。昨年12月に前ヘッドコーチの前田顕蔵との契約を解除し、後任にアシスタントコーチを務めていたミック・ダウナーが就任した。就任後の成績は3勝10敗とチームにとって劇薬とはなっていないが、着実に力を付けている印象はある。10点差以内で敗れた試合は前指揮官下では22敗中5試合、ダウナーヘッドコーチになってから10敗中5試合とチーム内の意識改革は進んでいる。
ダウナーヘッドコーチは就任当初にこう語っている。「私たちは攻守両面で改善しなければなりませんが、まずはディフェンスの改善を最優先事項とします。それがよりアップテンポでスピード感のあるオフェンスへと繋がり、ファンの皆さまに楽しんでいただけるバスケットになると確信しています」
バイウィークを迎える前の茨城ロボッツ戦の後、最優先事項となっているディフェンス面の満足度を聞くと「40%から50%です」とまだまだ多くの課題を残している状況だという答えが返ってきた。
ダウナーヘッドコーチになってからのチームの平均失点は86.7点で、前田前ヘッドコーチが指揮していた時(83.7点)よりも数字は落ちているが、これはキアヌ・ピンダーや赤穂雷太といった主力の離脱、ここ最近ではディフェンス面での貢献が高い栗原翼が出場できなかった台所事情も重なった上での結果だ。そして、ケガ人が続出していることは大きな痛手で、その状況下でプレーを続けている選手たちのファイトを指揮官は見過ごさない。

ドラフト組に期待がかかる秋田の将来
ダウナーヘッドコーチは「まだ自分がやりたいことがしっかり表現できていない」と語るが、このバイウィーク期間中にはピンダーの復帰も見込まれており、さらなる改善が期待される。さらに言えば、すべてにおいて問題を抱えているわけではなく、攻撃面では一定の手ごたえを感じている。
「オフェンスに関しては70%から80%の出来です。オフェンスのポゼッション数は就任してから増加傾向にあります。そして平均得点も69点から79点に上がっています。ここまで修正できたのはコーチの仕事に携わってから初めての経験です」
そして「キャリアを通じてシュートを打ち続けてきた選手たちがいるチームなので、シュートの質を高めることによって成功率も向上したと思います」と言うように、勝利している試合では3ポイントシュート成功率が45%を超えている。ここに活路があるはずだ。
本来であれば田口成浩がその責務を担う形だが、現在は右膝前十字靭帯と外側半月板の損傷で戦線離脱を余儀なくされている。特別指定選手の小川瑛次郎が茨城とのゲーム2では3ポイントシュート4本成功を含む19得点と、本メンバーと遜色ない働きを見せているが、彼もシーズン終盤まで秋田に所属するわけではない。
現在のアクティブなメンバーとともに押し上げてきたオフェンス能力を高めるため、秋田はドラフト指名した岩屋頼と堀田尚秀との今シーズンからの契約を結んだ。
両名とも今年度の大学バスケ界に旋風を巻き起こした早稲田大出身で、岩屋は優勝した『関東大学バスケットボールリーグ戦』で平均16.8点、2ポイントシュート成功率53.6%、3ポイントシュート成功率39.5%とポイントガードながら高いスコアリング能力を発揮し、シューターの堀田も同大会で3ポイントシュート成功率39.4%を記録した。早稲田大で体現した『ハイペース&ハイスコアバスケ』を踏襲して彼らがチームにフィットしていけば、「トランジションが好きです」と話す指揮官の目指す形に近づくはずだ。
苦しい状況が続くが、可能性を秘めたチームであることは間違いない。どんな状況下でも会場を埋め尽くしてくれるハピネッツブースターへの恩返しは、そう遠くない未来に待っている。