ジェイレン・グリーン

キャリア最悪のシュートタッチもキャリア最高の試合に

現地2月21日、サンズはマジックとダブルオーバータイムの激闘を演じ、ジェイレン・グリーンの勝ち越しブザービーターで勝利をもぎ取った。デビン・ブッカーが股関節の捻挫で欠場し、ディロン・ブルックスとジョーダン・グッドウィンを試合中のケガで失いながら、レギュラータイム終了時点で97-97という超ロースコアの『我慢比べ』を制した。

サンズはフィールドゴール成功率が34%とシュートが全く決まらず、マジックは24アシストに対して16ターンオーバーとミス続き。ダブルオーバータイムの残り1分を切って1点リードという状況で、グリーンはピック&ロールからリムを攻め、パオロ・バンケロをスピードで抜き、ゴール下で待ち構えるジョナサン・アイザックをダブルクラッチでかわす得点を決めて、残り33秒で110-107と突き放す。

それでも残り時間を上手く消化できず、残り5.7秒からトリスタン・ダ・シルバからの連携でフリーになったジェボン・カーターに同点の3ポイントシュートを許す。残り時間は1.1秒。ロイス・オニールはグリーンへのパスを選択し、トップスピードでマークに付くアンソニー・ブラックを振り切ったグリーンは、無理な体勢から打ちきった3ポイントシュートをねじ込み、サンズに勝利をもたらした。

最後の局面まで、シュートの決まらないサンズの中でもグリーンのシュートが最も決まっていなかった。マジックのオールスイッチの守備を破れず、それまでの36分間でフィールドゴール24本中4本しか決められなかった選手が、ラスト1分間でクラッチショット2本を連続で決めた。サンズに加入した今シーズン、開幕からケガの連続でいまだ出場9試合目と大苦戦のグリーンだが、大事な場面で際立った勝負強さを見せた。

「シュートが入らない苦しい試合はこれまでもあった。そういう時はフリースローで繋いだりディフェンスで粘るものだけど、初めてのゲームウィナーを決めることができて最高の気分だよ」とグリーンは笑顔を見せた。

「シュートが決まった瞬間、チームの全員が僕のところに飛び込んで来た。試合を通して苦しんでいた僕を支えてくれた仲間たちだ。チームメートもコーチも『顔を上げろ、打ち続けろ』と励ましてくれて、そのおかげでダブルオーバータイムまで戦うことができたし、最後のシュートも自分で打ちたいと思うことができた」

ヘッドコーチのジョーダン・オットは、グリーンがケガを繰り返す中でも努力を怠らなかったことを褒め、最後のプレーはシュートタッチに苦しむ彼ではなく、コリン・ギレスピーに打たせるセットをデザインしていたことを正直に明かした。

それでもグリーンは「マジックのスイッチディフェンスでコリンが空かなかったら僕がボールをもらいに走る」とオニールに伝えており、その通りに事態は展開した。「ロイスは僕をちゃんと見てくれていた。あとは決めるだけだった」とグリーンは言う。

自信を持って打ち続けるメンタルの強さ。グリーンの持ち味はそこにある。「打ったシュートはすべて、これまでずっと練習し、何度も決めてきたものだ。だからこそ入らないとイライラするけど、打ち続けることで何本かは決めることができた。そして最後のチャンスをモノにできて本当に良かった。NBAで初めてのゲームウィナーで、高校時代も多分やっていないから、この感覚を噛み締めているよ。僕のキャリアでシュートタッチが最悪な試合が、一生忘れられない試合になった」

「ケガをして、復帰したと思ったらまたケガ。それが3回も続くと『いつになったらまともにプレーできるのか』とどん底の気持ちになる。練習に行くのが嫌になる日もあった。でも、周囲の支えのおかげでここまで来ることができた。みんなの頑張りのおかげでチームは良い順位に付けている。僕はまだリズムを取り戻している途中だけど、ここからの重要な時期に僕らしいプレーでチームに貢献したい。そしてプレーオフに良い形で向かいたいんだ」