「長崎には大きな愛情を持っているからこそ勝ちたかった」

2月15日、群馬クレインサンダーズは長崎ヴェルカをホームに迎えてゲーム2を戦った。第1クォーターから群馬のペースに巻き込み、前半を終えた段階で44-34と2桁リードを築いたものの、後半に逆転を許し72-77で連敗を喫した。

前日のゲーム1は97失点で敗戦。群馬はディフェンスの修正が急務となったため、最初のポゼッションから3-2ゾーンを敷いて変化を見せた。アキル・ミッチェルが欠場となっているため、長崎は5アウト(コート上の選手5人全員がアウトサイドでプレーしてペイントエリアを空けて外角を狙う戦術)でオフェンスを展開してくる。それに合わせた守り方で、長崎の攻撃の芽を摘んだ。

さらにリーグで最も攻撃回数が多い長崎に対するトランジション対策も万全だった。積極的にオフェンスリバウンドに絡み、簡単にディフェンスリバウンドを獲らせないことでオフェンスのスタートを遅らせた。ファストブレイクを仕掛けられそうな場面では、ファウルストップを徹底。平均17.1個とファウル数がリーグで2番目に少ない群馬にとって、今シーズン最多となる25個のファウルをして速い展開を阻止した。

その結果、第3クォーターまでで51失点。平均93.0得点の長崎をスローペースに巻き込み、群馬が主導権を握った試合展開だった。しかし、最終クォーターで26失点。それまで長崎をハーフコートバスケに追い込み、1on1に仕向けてタフショットを打たせていたが、徐々に長崎のオフェンスがチーム全体で連動し始めると、群馬は対応しきれずに逆転を許した。

それでも試合を通じて奪われたのは77点。群馬のディフェンスプランは多くの時間で機能していたが、後半28得点と伸び悩んだオフェンスも敗因の一つとなった。特に得点源である3ポイントシュートは30本中5本成功の16.7%と低調で、ターンオーバーも17本。リーグ首位の強豪クラブに勝利するためには、すべてが噛み合う必要があると痛感した試合となった。

昨シーズン、長崎に所属して今シーズンから群馬に移籍してきたフィリピン人ビッグマンのエージェー・エドゥは並々ならぬ思いを持って、古巣との対戦に臨んでいた。「個人的には絶対に勝ちたい試合でした。昨シーズン一緒にプレーした仲間ですし、彼らには大きな愛情を持っています。だからこそ勝ちたかったです」

悔しい気持ちを抱きながらも、最後の最後まで勝利のチャンスを残したチームを称える。「強いチームとの対戦だったので、ロスターが万全ではない中でタフなゲームになりました。残念ながら勝てませんでしたが、みんなの努力は本当に誇りに思います」

「長崎とはチャンピオンシップで戦うチャンスも残されている」

エドゥはディフェンス力を買われて群馬に加入した。常にペイント内にディフェンダーを配置して、リムプロテクトを重要視するカイル・ミリングヘッドコーチの考えにフィットするインサイドプレーヤーとして期待が大きい。実際、その期待に応えて平均1.1本のブロックを記録してランキングでは4位にいる。

リムプロテクトだけでなく、リバウンドでも力を発揮している。この試合でも前述の通り、長崎のトランジションを封じるために積極的にオフェンスリバウンドに飛び込み、獲れなかったとしても長崎のオフェンスのスタートを遅らせることに成功していた。

「長崎はインサイドのサイズが大きくないので、自分がアドバンテージを取ることは重要でした。速い展開で仕掛けてくるのは分かっていましたし、やりたいバスケをやらせないためにできることはすべてやろうと意識していました」とエドゥは自身のパフォーマンスを評価する。

オフェンスでも中継役としての上手さを見せる場面が多くなってきた。相手のハードショー(ピック&ロールに対してビッグマンが前に出て守る方法)に対して、スリップしてボールを受けてワイドオープンの選手にパスを捌くプレーも増えた。これまでのエドゥには多く見られなかったプレーだ。

「全員がアンセルフィッシュなプレーヤーです。その上で、ボールを回してベストショットを探す方法を群馬に来て学びました。全員が連動した流れでできたスペースを上手く使うことが自分の役割なので、チームのために遂行するだけです」

エドゥは攻守に渡りチームを支える献身的なプレーを徹底して、7得点8リバウンド3アシスト1スティール1ブロックを記録したが、今シーズン最短となる13分42秒の出場に留まった。特に勝負が懸かった最終クォーターは、長い時間ベンチで戦況を見守った。悔しい気持ちが強いかと思ったが、チームファーストな言葉が返ってきた。

「コートにいなくてもチームの勝利のためにできる役割があることを理解しています。自分だけでなく、チーム全員が『長崎に勝つ』という気持ちを持っていたから、最後までサポートしたい思いが強かったです」

群馬は今節の連敗で、チャンピオンシップ圏外に。しかし、レギュラーシーズンはあと21試合あり、2年連続でのチャンピオンシップ進出の可能性は十分に残している。

「長崎とはチャンピオンシップで戦うチャンスも残されているので、そうなれば絶対に勝ちたいです」とエドゥはリベンジを誓うとともに、この後の展望を語った。

「とにかく今シーズンはケガ人が多かったので、みんながベストコンディションを保つことに注力する必要があります。それができれば、私たちに力があることは自分たちでも分かっています。チャンピオンシップ進出と、その先に向けて全力で頑張ります」