
「積極的にリードしていこうという気持ちでやりました」
茨城ロボッツは、第23節に秋田ノーザンハピネッツと対戦。ゲーム1は第4クォーターを失点『1』に抑え、インテンシティを最後まで落とさなかった茨城が71-53で勝利した。続くゲーム2は秋田の脅威的な追い上げを振り切り87-86で連勝を飾った。
茨城は秋田と今シーズン4度目の対戦となり、12月に行われた第15節でも連勝をマークし、同一カード4連勝を記録。連勝を飾るためにも重要な試合となったゲーム1では、第4クォーターを1失点で切り抜ける驚愕な展開となったが、その試合の入りを締めたのがキャプテンの長谷川暢だった。試合開始からロバート・フランクスの得点に続いて3ポイントシュートを沈めると、ペイントアタックからアシスト、フリースローを獲得とオフェンスを牽引。開始3分過ぎ、セカンドチャンスから再び3ポイントシュートを決め、秋田がタイムアウトを請求したところで長谷川は雄叫びを上げた。その場面をこう振り返る。
「(古巣との対決ということで、)アップしていると肩に力が入ったり、足がフワフワと軽く感じたり、すごく変な気持ちだったのですが、一本目のシュートが入ったので積極的にリードしていこうという気持ちでやりました」
長谷川は茨城へ移籍してから、持ち前のディフェンスだけでなく、オフェンス面でも積極性を見せている。指揮官のクリス・ホルムも「彼にはリーダーシップを持ってプレーすることを求めています」と、期待を寄せている。長谷川は第1クォーターで3ポイントシュート2本を含む、フィールドゴール成功率100%の8得点を挙げ、大事な立ち上がりで違いを作った。
その後も、茨城はトラップディフェンスを仕掛けて攻撃の芽を摘むと、ゾーンディフェンスを冷静に攻略して秋田の反撃を振り切る。そして、脅威の集中力とインテンシティで終盤の14-1というビッグクォーターを作った。ホルムヘッドコーチが「先発には常にトーンをセットできるかという高いスタンダードを求めています。そしてその勢いを40分間維持することをメンバー全員に求めています」と語る、先発としての重要な役割を長谷川は遂行したのだ。

移籍したことによって、より強くなったリーダーシップ
茨城で2シーズン目を迎えた長谷川はキャプテンを務めている。そして秋田在籍時とは違い、試合の重要な局面での活躍が期待されており、それはスタッツにも表れている。秋田在籍の最終シーズンは平均プレータイム14.47分で6.5得点、1.7アシスト、0.7スティール、先発出場は60試合中5試合だった。翌シーズンの茨城では、ケガの影響もあって出場数は限られたが全20試合で先発出場を果たし、平均25.54分のプレータイムで13.1得点、4.2アシスト、1.0スティールとそれぞれ数値が上昇。今シーズンもここまで全試合で先発出場を果たしている。
「茨城に来てからメインの選手として、最後のクロージングを任してもらっていますし、長いプレータイムをもらっています。僕の良し悪しで勝敗が決まるということに、すごくやりがいを感じています」。そう語るように、ゲーム2では接戦となるが、長谷川は第4クォーターで7得点を挙げてチームの窮地を救った。
そしてこのように続ける。「『僕がダメなら仕方ない』というぐらいに、ヘッドコーチも僕を信頼してくれているので責任がありますし、今日のように僕がチームをリードしたことで、勝利をつかむことができたのはうれしいことです」
長谷川は茨城に来て、エースとしてプレーすることの存在意義を見出している。ホルムヘッドコーチも「ウチに移籍してくれたからには、先発に誇りを持ってプレーしてほしく、常に高いレベルを求めています。そして移籍したからには、なぜ茨城ロボッツに来たのかを証明しないといけません」と、彼の成長を見守っている。茨城はガード陣の負傷者も多く苦しい状態が続いているが、その期待に応える活躍を続けていると言っていいだろう。そしてインタビューの最後に、こう笑顔で語ってくれた。
「個性的なメンバーが揃っているので、僕がまとめなくてはいけません(笑)。僕が背中で示していきながら、60試合を戦い抜いた時にチームが最高の状態で終えて、今より一つでも多く勝てているようなチーム作りをしていきたいです」
茨城が掲げる『NATTOメンタリティ』(仲間を信じて、アグレッシブに攻めて、トランジションを速く、タイトなディフェンスで、終わりまで粘り強く戦う)を胸に、最後までシーズンを駆け抜けてくれるだろう。