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ビッグ3が83得点、チームで17本の3ポイントシュートを成功させる

東カンファレンス決勝第6戦。ビッグ3揃い踏みのキャバリアーズが、敵地でその強さを存分に見せ付けた。

立ち上がりこそホームの後押しのあるラプターズに先行を許したが、すぐにディフェンスで激しさを出し、それにより持ち前の攻撃力も発揮されていく。カイリー・アービングのスティールから、レブロン・ジェームズのアリウープが決まり10-0のランを決め逆転に成功。また、急成長を見せているラプターズのビスマック・ビヨンボが、ケビン・ラブの唇のあたりに肘を当ててしまい、フレグラントファウルを取られリズムに乗れない展開が続く。

こうして前半を55-41で折り返したキャバリアーズは平常心を保って試合を進めていった。もう後がないラプターズはカイル・ラウリーにパスを集め、3ポイントシュートを次々と沈めることで追いすがるも、キャブスも3ポイントシュートを得意とするJ・Rスミスやチャニング・フライが要所で長距離砲を沈め、常に2桁のリードを保つ。そして、86-74と12点リードで最終第4クォーターを迎えた。

デマー・デローザン、ラウリーを中心に追いかけるラプターズだが、この試合ではキャブスが上。最後までシュート成功率を落とすことなく、レブロン、アービング、スミスが3ポイントシュートを沈め、追いすがるラプターズの反撃ムードを鎮火させていく。そのままリードを広げ、113-87でキャブスが勝利。激闘のシリーズが幕を閉じた。

レブロンが両チームトップの33得点、アービングが30得点、ラブが20得点とビッグ3が力を発揮。スミスも5本の3ポイントシュートを沈め、15得点とアウトサイドシュートが鍵を握った。3ポイントシュートの成功率は54.8%と驚異的な数字だ。

戦前の予想ではキャブスが圧倒的優位だったこのシリーズ。ここまで食い下がったラプターズの戦いぶりもまた称賛すべきもの。この第6戦も終盤まで大きく引き離されることなく食らい付いた。しかし結局、キャブスが完璧なプレーを最初から最後まで貫いたことで付け入る隙がなかった。まずまずの立ち上がりを見せながら第2クォーターに失速したことが、勝敗の決め手となった。

試合終了の瞬間、エア・カナダ・センターを埋めたラプターズのファンが見せた素晴らしい態度にも触れたい。キャブス相手に2勝をもぎ取る健闘を見せたチームに惜しみない拍手を送るとともに、ファイナル進出に相応しいパフォーマンスを見せた、レブロンを始めとするキャブスの選手たちにも大歓声を送ったのだ。

チーム史上初となるカンファレンス決勝へ駒を進めたことは快挙だと言える。ペイサーズとヒートを相手に2シリーズ連続で第7戦までもつれる激闘を制した戦いぶりは、地元ファンならずとも魅力的に映るものだった。そしてラウリーとデローザンは、このシーズンでNBAトップレベルの力量を持つスター選手であることを改めて示した。十分に実りのあるシーズンだったと言える。

これでレブロンは6年連続のファイナリストとなった。昨年はラブが脱臼で戦列を離れ、アービングがファイナル第1戦で骨折するなど、ベストメンバーでの戦いができなかったキャブスだが、今回は万全。ビッグ3は揃って好調だし、控えのメンバーも充実している。最強の証明をする時がやって来た。

健闘むなしく敗退が決まり、天を仰ぐラウリーとデローザンのコンビ