
様々な形でチームに迎え入れられる特別指定選手
満22歳以下のバスケットボール選手を対象に、連盟の垣根を越えて、個人の能力に応じた環境を提供することを目的に設置された『特別指定選手』制度。設立当初はチーム練習の参加がメインで試合出場は、試合が決した残り数十秒というのが当たり前であったが、近年は即戦力として期待のかかる選手も増え、制度を活用してBリーグの試合経験を積む本来の役割を果たしている。
本来の登録枠と別に特別指定選手の2つの枠が設置されることは、クラブ側のメリットだ。リクルートの一環としてこの制度を利用し、将来の契約に向けて選手の能力を見極める場にもなっている。また、ゆかりのある場所や通学先の近くという環境がマッチし、この制度を利用してエントリーするパターンもある。
広島ドラゴンフライズの佐藤涼成は加入当初からチームの即戦力として活躍。昨年の12月にケガで離脱するまでは、平均19.30分のプレータイムで6.1得点、2.0リバウンド、2.1アシストとポイントガードとして存在感を発揮した。21歳の岡田大河は、シーズン開幕直後の10月に川崎ブレイブサンダースへ加入し、ここまで35試合に出場、平均13.33分のプレータイムで4.4得点、3.4アシストとローテーションの一端を担っている。これらのように制度を利用しながらも、チームの即戦力として迎え入れられる事例も増えた。
轟琉維は地元の佐賀バルーナーズに加入。平均20.30分のプレータイムで9.0得点、3.2リバウンドを記録し、2月8日に行われた富山グラウジーズ戦で23得点6アシストの活躍。B2では早稲田大の下山瑛司が、ライジングゼファー福岡で平均21.57分のプレータイムを獲得し、8.1得点、2.4リバウンド、4.4アシストと主力にも劣らないスタッツを残している。彼らは、大学の年度内の活動が終了したタイミングを利用して、プロで武者修行を行っている。Bリーグで活躍することは、各クラブへのアピールにも繋がり『就職活動』にも一役買っている。
鹿児島レブナイズに加入した専修大の松野遥弥は12月28日に行われた青森ワッツとのデビュー戦で先発出場を果たし、11得点3リバウンド2アシストの活躍を見せた。この活躍が影響したかは定かではないが、松野は今年の1月に行われた『Bリーグドラフト2026』で、広島から全体6位指名を受けた。各クラブは大学の試合などで情報を集めているが、Bリーグでのプレーも評価対象になっていることは間違いない。
秋田ノーザンハピネッツに加入した内藤晴樹と小川瑛次郎は地元秋田県出身だ。東山の佐藤凪はユース時代に所属した横浜ビー・コルセアーズに、福岡大学附属大濠の白谷柱誠ジャックはライジングゼファー福岡にそれぞれ加入し、所属するカテゴリーとは違うプロの強度を体感し、研鑽を積む機会を得ている。特別指定選手として迎え入れられることは、他の選手よりアピールするチャンスが広がっていることを意味している。

ドラフト指名を受けた選手が特別指定選手として活躍
来シーズンからは『B.革新』によってリーグが改革を迎え、トップリーグと位置付けられた『B.プレミア』にはドラフトを経由しないと新人選手はプレーできない仕組みとなった。クラブもドラフト指名した選手を特別指定選手として獲得し、今シーズンからプレーさせる動きに変わりつつある。
その中で、即戦力として活躍しているのが滋賀レイクスの岩下准平だ。岩下は今年のBリーグドラフトで長崎ヴェルカから全体4位で指名を受けた。その後、滋賀と長崎が『育成契約選手制度』を活用した相互連携を行うことで合意したことをきっかけに、来シーズンは滋賀でプレーすることが発表された。岩下は合流して間もなかったが、第22節の島根スサノオマジック戦から出場すると、ゲーム1は6得点4リバウンド3アシスト、ゲーム2で9得点1アシストと期待に応える活躍をした。
茨城ロボッツから全体2位指名を受けた赤間賢人も、特別指定選手としてすでにチームに加入している。赤間も2月8日のファイティングイーグルス名古屋戦では、フリースローを4本獲得するなど積極的なアタックを武器に9得点の活躍を見せた。
特別指定選手制度がBリーグの選手活性化を促しているのは間違いなく、22歳以下の選手たちにとって開けたリーグへと進化を続けている。今後も特別指定選手として加入したプレーヤーの活躍から目が離せない。