「トップレベルで戦う力はまだ十分に残っている」

ニコラ・ブーチェビッチはNBAキャリア15年目にして3度目の移籍を経験した。ブルズには長く在籍したが、チームはブーチェビッチ以外の軸となるメンバーを頻繁に入れ替えながらも浮上する兆しを見せなかった。それはブルズに限らず、ブーチェビッチがケガも少なくコンスタントにプレーしてインサイドを支えていても、チームが優勝争いに絡むことはなかった。

これまで彼はNBA1000試合出場を超えるが、プレーオフには16試合にしか出場していない。最後は2022年だが、ブルズは1勝を挙げただけでバックス相手にファーストラウンドで敗退した。

彼は古巣を決して悪くは言わなかったが、フロントが勝つためのプランを描けない中で自分の全盛期が浪費されていくのが苦しくなかったはずはない。だから彼はセルティックスへのトレードが決まると大喜びしたし、今まで以上にプレーに打ち込むつもりでいる。

「どんな選手であれプレーオフに出たい、勝ち進みたいと望むものだ。僕は残念ながらその機会にあまり恵まれなかった。だから輝かしい歴史を持つセルティックスの一員になり、すでに優勝を経験している選手やコーチ陣とプレーオフを戦うチャンスを得られてワクワクしているよ」とブーチェビッチは語る。

遠征先のミルウォーキーでトレードを告げられた彼は、すぐにシカゴに戻って荷物をまとめ、ボストンに飛んだ。彼が一番喜んだのは、セルティックスの練習施設で用事を済ませている間に、ヒューストンの遠征から戻って来たコーチ陣が空港から駆け付け、ブーチェビッチと映像を見ながら攻守の動きを確認し、長時間のミーティングをしたことだ。勝つために必要なことはすべて、しかも徹底的にやる。そのセルティックスの伝統に初日から触れたことで、ブーチェビッチは奮い立っている。

ブルズのハイテンポなバスケに比べると、セルティックスはペースが遅く、ハーフコートバスケに主体を置く。ブーチェビッチは「読みに基づいたオフェンスは僕の得意とするところだ。周りに才能のある選手が揃っていることも、僕の仕事を楽にしてくれるだろう」と話す。

「ブルズとセルティックスでは戦術がかなり違って、特にビッグマンの使い方が異なる。でもバスケをすることに変わりはないし、コートに出てプレーすれば感覚はつかめると思う。脳の書き換えは必要だろうね。ブルズで5年間やってきた習慣を一度壊して、セルティックスの習慣を身に着けるんだ。この何日かはずっと映像を見て、練習で動きを確認しているけど、僕のプレースタイルに合っていて、すぐに吸収できると感じている」

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チャンスが来るまでに時間はかかったが、遅すぎたわけではない。「僕は35歳だけど、トップレベルで戦う力はまだ十分に残っていると思う。プレーオフに出て優勝を目指して戦う。これまでのキャリアでなかなか得られなかった機会を得られることが何よりの刺激になっているんだ」

現地2月6日のヒート戦で新天地デビュー。2日後にはニックス戦にも出場した。先発センターのニーミアス・ケイタ、2番手のルカ・ガルザとこれまでのセンターが好調をキープしている状況で、まだセルティックスのバスケに馴染む必要があるブーチェビッチはベンチスタートに回っているが、「先発か控えかは大きな問題じゃない。チームを助けるためにベストだとコーチが判断したことに従うだけだ」と語る。

2度のオールスターに選出された実績と経験、強靭なフィジカルとサイズ、高いバスケIQ、そしてNBAキャリアを重ねる中で自分の武器とした3ポイントシュートと様々な武器を持つブーチェビッチは、自分の持ち味を指揮官ジョー・マズーラが良い形で使ってくれると信じている。

「デビュー戦としては上々の出来で、ここから連携を深め、お互いのプレーの感覚を磨いていく。現状での僕はこのチームのプレースタイルを学び、それぞれの選手が何をしたいのかを理解しつつ、その邪魔にならない形で自分の持ち味を発揮できるバランスを見いだそうとしている。簡単じゃないけど、もうそのヒントはいくつか得られている。チームメートのバスケIQも抜群に高いから、一緒にプレーすることで僕の仕事も楽になるよ」

緑のユニフォームに身を包んだ背番号4。今はまだ見慣れないが、彼がセルティックスのバスケへの理解度を深めるにつれて、その姿への違和感は消えていくはずだ。

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