「試合に出られる状態をどれだけ続けられるかが大事」
現在、リーグ最高勝率の長崎ヴェルカの持ち味は、イ ヒョンジュン、馬場雄大、スタンリー・ジョンソン、ジャレル・ブラントリーを中心とした圧倒的な破壊力を持ったオフェンス力だ。フォワードも積極的にボールプッシュを行うポジションレスのスタイルで戦うことで、スピードのアドバンテージを作り出し得点を重ねていくのが得意パターンだ。
この長崎のスタイルは、フィジカルと高さで勝負しゴール下を主戦場とするクラシックなビッグマンとの相性は決して良くない。だが、その中で日本代表の川真田紘也は徐々に居場所をつかみつつある。
先週に行われた広島ドラゴンフライズとの連戦において川真田はゲーム1で8分出場し、ゲーム2は長崎の圧勝という試合展開もあり、13分17秒のプレータイムで11得点3リバウンドを記録した。シーズン序盤に比べ、今の川真田はコートに立つ時間が確実に増えている。しかし、それでもローテーション入りしている訳ではなく、展開によっては出番がないまま試合を終えることもある。
ゲーム2の終了後、川真田は現状に対する思いをこう明かす。「試合に出られる状態をどれだけ続けられるかが大事です。例えば今日の広島戦、最後にちょっと点差が開いたことで出られた部分を除けば、僕がプレーしたのは5分、6分くらいです。昨日は8分で、その前の(シーホース)三河戦は1分も出ていないです。対戦相手によってプレータイムは大分変わってくる中、出られない試合があったとしても、次の試合に対しては前向きな気持ちでいます。『なんでこの試合では出られなかったのか』をしっかり理解することが、チームへの貢献に繋がっていくと思います」
特に出番を得るのに苦しんだ序盤に焦りはなかったのかを聞くと、「出られないのは理由があります。練習でのプレーが悪かったり、いろいろな要因があってのことだと分かっています。理由が分からなかったら不安になると思いますが、それがなかったので一歩ずつ成長していくだけでした」と振り返る。
「担当コーチとプレーを振り返り、『もっとこうしよう、ああしよう』と改善していった結果が、短いかもしれないですが6分だったり、8分のプレータイムに繋がっていると思います。自分のやるべきことは分かっているので不安はないです。『ここから、もっとやってやるぞ』という気持ちが強いです」

「結局、自分のできることをどれだけアピールできるか」
川真田は機動力ではなくパワーを持ち味とするタイプで、一見するとトランジション重視の長崎のスタイルと相性は良くないようにも見える。だが、本人にそういう意識はない。「確かに僕は(アキル)ミッチェル選手と違ってドリブルでプッシュできる選手ではないですし、シュートレンジも狭いです。でも逆に、周りにスキルのある選手が揃っていることで、スクリーンをしっかりかけて味方を生かす。合わせのパスからゴール下でシュートを決める、といった自分のプレーがやりやすくなっていると思っています」
また、「結局、自分のできることをどれだけアピールできるかです」と言い、自分のやるべき仕事は変わらないというブレない芯を持っている。「例えば今回、広島さんのコフィ・コーバーン選手のようなパワータイプを止めることができたら自分の評価もすごく上がります。パワー系の選手がいる時は『マイキー(川真田)を出してみようか』になると思います」
外国籍選手のレベルが上がることに比例し、日本人ビッグマンがコートに立つ難易度も上がっている。その中で川真田はリーグ首位の長崎で出番を徐々に増やしていることに「やりがいを感じまくっています」と語る。
「このチームで試合に出られることにはすごく価値がある。誰が見ても素晴らしい選手ばかりの中で試合に出られることを僕は一つの誇り、ステータスととらえています。長崎ヴェルカで試合に出るのはすごくうれしいことです」
本日から長崎は、アウェーに乗り込んで宇都宮ブレックスと対戦する。アイザック・フォトゥに帰化枠のギャビン・エドワーズ、竹内公輔とタレントが揃う宇都宮のインサイド陣相手に、川真田がコートに立つ時間もきっと来るはずだ。たとえ短い時間でも、そこで川真田が自分のやるべきことをしっかり遂行できるかどうかは、実力伯仲の対戦において勝敗に必ず影響を及ぼす。
