
1巡目3つがグリズリーズへ、注目はモラントの動向
グリズリーズは現地2月5日のトレードデッドラインまでにジャ・モラントを放出すると予想されていた。しかし、それより先にジャレン・ジャクソンJr.のトレードが決まったこと、さらに相手がジャズなのは大きな驚きだった。『ESPN』のシャムス・カラニア記者が、ジャクソンJr.を中心とする大型トレードをスクープした。
ジャズはジャレン・ジャクソンJr.に加えてジョン・コンチャー、ジョック・ランデール、ビンス・ウィリアムズJr.の4選手を獲得。グリズリーズに対して1巡目指名権を3つ、さらにカイル・アンダーソン、テイラー・ヘンドリックス、ジョージ・ニアン、ウォルター・クレイトンJr.を譲渡する。
グリズリーズは昨シーズン終盤にテイラー・ジェンキンスを解任し、昨年オフにはデズモンド・ベインを放出。少しずつ再建に進んでいたが、エースのモラント以上に市場価値の高いジャクソンJr.の放出で、完全に再建期に入ることになる。
ジャクソンJr.はNBAキャリア8年目。オールスターに2度選ばれているが、これから全盛期を迎える26歳。現地2月2日のティンバーウルブズ戦を終えた後、彼は「内容は明かさないが、フロントとは話している」と、自らのトレードを予期したような発言をしていた。
ジャズはドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアを放出した2022年からの再建期に、突如として終止符を打った。1巡目指名権はいまだ数多く残しており、今後も毎年即戦力を獲得することも、これを使った補強もできる。
もっとも、ここまで15勝35敗とプレーオフ進出の目安となる勝率5割ははるかに遠く、なおかつ今年の1巡目指名権は9位以降だとサンダーに譲渡される。豊作と言われる今年のドラフトでの1巡目指名権は確保したい。ジャクソンJr.を獲得した以上、これまでトレード市場で常に噂となっていたラウリ・マルカネンの放出はないだろうが、今シーズンは移籍を初めて経験するジャクソンJr.に新しい環境に馴染ませるだけで勝ちには行かず、肩の手術で長期離脱中のウォーカー・ケスラーが復帰する来シーズンから、マルカネン、ジャクソンJr.とウォーカー・ケスラーが並ぶ超ビッグラインナップで勝負に出るだろう。
ジャクソンJr.は身長208cm、鍛え上げられた肉体にウイングスパン224cmとサイズに強みを持つが、その多彩なプレーはストレッチセンターよりもパワーフォワードに向いている。グリズリーズでもセンター起用より、スティーブン・アダムズと組んだ時期の方がパフォーマンスは良かった。
グリズリーズはベインの放出で4つ、今回のトレードで3つ手に入れた1巡目指名権を使って再建を進める。それはモラント中心の再建にはならず、モラントも残り2日のうちに放出すると見るべきだろう。他にもサンティ・アルダマなど既存の戦力の放出、また今回獲得したばかりの選手を再びトレードに出すことも選択肢となる。また、このトレードはグリズリーズに2880万ドル(約43億円)のトレード例外条項をもたらした。エプロン時代のNBAで巨額の余剰サラリーを引き受けることで、さらなる補強もできる。グリズリーズはすぐに次の動きに出るはずだ。