文=丸山素行 写真=鈴木栄一、B.LEAGUE

5月27日に行われたBリーグファイナル、栃木ブレックスは川崎ブレイブサンダースを下し、初代王者の栄冠に輝いた。熊谷は日本体育大学を卒業して2013年に栃木に入団。過去に優勝経験がなかった熊谷は、栃木での4年目のシーズンで優勝の味を知ることとなった。

そんな彼が、リラックスムードながらも真面目に今シーズンを振り返ってくれた。

1万人の前での真剣勝負「めちゃくちゃ緊張しました」

──優勝おめでとうございます。率直に今の気分を聞かせてください。

僕にとっては初めての優勝で、このチームメート、スタッフと一緒に優勝の瞬間を味わえたことが本当に幸せです。

──ファイナルの舞台はいかがでしたか?

僕自身はファウルがかさんでしまい、ディフェンス面での貢献ができなかったところもあって、今日の僕のパフォーマンスは良いものではなかったと感じています。

──やはり緊張感はありましたか?

セミファイナルまでのゲームとは全く雰囲気が違って緊張しました。お客さんも1万人も来てくださって、その中で真剣勝負、一発勝負のゲームをやるというのが初めてだったので緊張しました。

──観客の数と熱気に圧倒された感じでした?

オールスターに出させていただいた時も1万人のお客さんがいたんですが、真剣勝負とは違った雰囲気のゲームだったので、特に緊張することもなく純粋に楽しんでプレーできたんですけど、今回は……(笑)。

──野暮な質問ですが、オールスターの何倍くらい緊張しました?

何倍とか言えないくらいです。めちゃくちゃ緊張しましたね、本当に(笑)。勝つのと負けるのでは本当に違うので、その中でのゲームは本当に緊張しました。

ブレックスは「みんなが高め合ってここまで来たチーム」

──Bリーグ初年度を振り返ると、どんなシーズンでしたか?

良い時もあれば悪い時もあったシーズンでした。個人のパフォーマンスも波が激しくて、良い時はめちゃくちゃ良いんですけど、悪い時は本当にダメだというゲームがいくつもありました。途中にはプレータイムがもらえなくて、悔しい時間を過ごした時もありました。

──良い時で言うと、シーホース三河とのセミファイナル第2戦、終盤の連続得点が思い出されます。あれは熊谷選手の特長がよく出ていました。

クォーターファイナルの千葉戦を体調不良で欠場してしまって、セミファイナルを迎えて。このまま負けて何も仕事ができずに終わるのは嫌だなと思いました。『絶対に何とかしてやろう』という気持ちでプレーした結果が、ああやって良い結果につながりました。

──シーズンの悪い時というのはどんな状況でしたか?

途中でプレータイムがもらえなかった時期ですね。悔しい時間を過ごしました。正直、チャンピオンシップでもセミファイナル第2戦の第3クォーターまで、僕自身は全く仕事ができませんでした。

──紆余曲折がありましたが、最後はチャンピオンになってシーズンを終えました。この1年の収穫は何でしょう?

このチームは競争が激しいチームです。そして、みんなが高め合ってここまで来たチームです。なので、その一員になれたことが今シーズン一番の経験になりました。

――感覚的には苦労のほうが多いシーズンだったということでしょうか?

結果としてチャンピオンになれたので、今は最高なシーズンだったと言えます。

――お疲れ様でした、来シーズンも頑張ってください。

ありがとうございます、頑張ります!

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