ルカ・ドンチッチ

規律を重んじるもクリエイティブなプレーは受け入れる

世界最高の選手が揃っていても、常に『調整』は必要であり、それは現場のトップであるヘッドコーチの責任だ。昨年末のクリスマスゲームでレイカーズが覇気のない戦いぶりでロケッツに大敗した後、JJ・レディックは「プロ意識が足りない」という強い言葉を用いて選手たちを叱咤した。

それから約1カ月、現地1月22日のクリッパーズ戦で完敗を喫すると、レブロン・ジェームズとルカ・ドンチッチを名指しして「ダブルチームが来たり、密集地帯に入ってプレーするような時は仲間を信じてパスをすべきだ」と説いた。

それに反応したのはドンチッチだった。この試合では8アシストを記録するも、フィールドゴール27本中11本成功、3ポイントシュートは13本打って成功わずか3本だった彼は「僕にかなり大きな責任がある。JJの言う通り、もっとボールを動かさなければならない」とレディックの指摘を受け入れた。

その意識の変化は、その後2試合でのパフォーマンスを好転させた。マーベリックス戦ではフィールドゴール15本中8本成功(53.3%)で11アシスト、ブルズ戦ではフィールドゴール25本中15本成功(60.0%)で12アシストを記録。ターンオーバーを5、3と記録しているが、ファーストオプションとして攻めの中心を担いながら、判断良くパスを出すことで相手ディフェンスに的を絞らせず、チームオフェンスを機能させるとともに彼自身の得点も順調に積み上げた。ブルズ戦の46得点はシーズンハイの数字だ。

快勝したブルズ戦を終えて、ドンチッチは「どのように試合に臨むべきか、みんなでたくさん話し合った。今まさにそれが実行できている。全員が団結し、楽しんでプレーできているよ」と語る。

「25本もシュートを打ったから、あとでJJに『もっとパスを出せ』と怒られるかもしれない(笑)。それは冗談として、僕はただアグレッシブにプレーし、相手のディフェンスが隙を見せる時はそれを突いただけなんだ」

レディックがドンチッチのプレーを怒るはずがなかった。「ルカもレブロンもシュートを打ち、それと同時にパスを回して正しいプレーを遂行した。チームとして26アシストを記録し、ターンオーバーが6だったのは素晴らしい。ルカはピック&ロールに対して相手がブリッツを仕掛けてきた時の判断が非常に優れている」

レディックは規律正しいプレーを選手たちに求めるが、それと同時に『ルカ・マジック』を否定しようとはしない。リズムに乗っている時のドンチッチは、長距離の3ポイントシュートのような難易度の高いシュートを突然放つ。効率だけを考えれば避けるべきプレーだろうが、レディックはそれを容認する。

「ルカはクリエイティブなプレーを好む。それが彼を偉大な選手にしている要素でもある。突拍子もないプレーを我慢しなきゃいけない場面がないわけじゃないが、それは受け入れるよ。彼はそこから素晴らしい結果を生み出すからね」

レディックとドンチッチはシーズンが進む中で対話を重ね、最適なバランスを見いだそうとしている。今のところ、その試みは順調に進んでいる。