野本大智

「トップを争うチームと戦うには上乗せが必要だった」

「バイウィーク中に取り組んできたハードにプレーすること。それを絶対に失わないことが大事です」。滋賀レイクスのキャプテン野本大智は、第19節の群馬クレインサンダーズ戦で連敗を喫した後、自分たちがやるべきことを再確認するように、前を向き力強く言った。

天皇杯とオールスターでリーグ戦が中断となる前、滋賀は5連敗を喫していた。勝率5割を目標に、8勝51敗に終わった昨シーズンからの立て直しを誓ったシーズンだったが、今節を迎えるまで1119敗の西地区11位と苦しい状況が続いている。

シーズン序盤戦は4連勝を経験し、宇都宮ブレックスや琉球ゴールデンキングスなどチャンピオンシップ常連クラブにも勝利したが、その後は勝率が伸び悩んだ。迎えた今月の中断期間中には「PLAY HARD」を掲げて準備し、もう一度立ち返るスタイルを明確して後半戦に臨んだ。

士気高く臨んだ今節だったが、両日ともに92-76で群馬に敗れ7連敗。トンネルから抜け出せなかった。

「この2試合、トラップやインテンシティはよかったので、チームとしてポジティブです」と野本が振り返るように、2試合通じて、すべてが悪かったわけではない。試合の入りでは両日ともに激しいプレッシャーディフェンスで、群馬の出鼻を挫いた。第1戦では第1クォーターで6つ、第2戦では7つのターンオーバーを誘発して、主導権を握った。

しかし、それが40分間を通じて遂行しきれなかった。「群馬さんのようなトップを争うチームと戦うには、そこだけでは足りなかったです。昨日だったらリバウンドやゾーンアタックなどの上乗せが僕らには必要でした」と野本は悔やむ。

野本大智

第3クォーターに積極アタックで得点「しっかり仕事できた」

野本の個人スタッツに目を向けると、第1戦は214秒、第2戦は2124秒と、両日ともに日本人選手として最長の出場時間を記録している。第2戦は前半は無得点だったが、第3クォーターに積極的なアタックから2本のレイアップを成功させて4得点を挙げた。前半には見られなかったプレーの真意を野本に聞くと、チームファーストな姿勢を明かした。

「今日の前半は、(岡田)泰希やトム(トーマス・ウィンブッシュ)を使ってプレーするのがコーチのプランだったので、邪魔しないようにしました。後半に求められた時、しっかり仕事できたことは良かったです」

3クォーターの終了時に相手選手と交錯して、状態が心配された野本だったが、最終クォーターの頭から再びコートに立った。16点のビハインドを背負って迎えたが、再びディフェンス強度を高め、オフェンスでもチーム全体でアグレッシブにアタックを仕掛けて、0-7のランを作り1桁点差まで詰め寄った。

「何を呼びかけたか覚えていないですが、良いプレーや、自分がパスしてシュート決めた選手に対して声を出して反応することは意識していました。それがあの流れに繋がったかどうかは分からないですけど」と、野本はこの時間帯を振り返る。

第1戦で課題と言っていたリバウンドやゾーンアタックも、改善が見られた。勝利には届かなかったが、チームは見えている課題を修正して一歩ずつ前進を見せている。「コーチからも言われましたが、何をやるかよりもどういう風にプレーするかが大事です。もちろん全部のオフェンスがうまくいった訳ではなかったですが、昨日よりは良かったのかなと」

滋賀レイクス

「課題となっていることの解決を積み重ねれば、先は明るい」

今節のように序盤の勢いを40分間維持できないのが、昨シーズンから続く滋賀の大きな課題だ。自分たちの良い時間帯をどれだけ長くするかが、勝敗に直結する。野本はそれを十分に理解した上で、次のように言う。

「それをしないとこれから勝ちを積み重ねていくのは厳しいですし、一人ひとりがやるしかないところです。誰かに教えてもらうことではないし、切らさないで5人でしっかり戦うことが大事です」

それを為すためにやるべきことは多いが、ディフェンスの安定は特に重要である。今オフ、滋賀は昨シーズンの不振の大きな要因に挙がったディフェンスの強化に取り組み、シーズン前半戦はディフェンスで勝つ試合ができていた。

「勝っていた試合は80失点以下に抑えることが多かったですし、それ以上取られると厳しいゲームになることが多かったです。ディフェンスで抑えて勝てる試合があったのは手応えですが、ここ最近は改善が必要です」

課題の改善は、どんなクラブにおいても重要なことだ。特に再起を誓う滋賀にとっては、急激に何か変わることよりも地道に課題を潰して地力を高めることが未来に繋がる。野本は続ける。

「課題となっていることの解決を積み重ねれば、先は明るいと思うし、僕たちにはその力もあります。前半戦にできていたからといって前半戦のチームに戻るわけではなく、これから自分たちの現状に向き合って、よりよい自分たちになっていく必要があります。一戦一戦、前を向いて準備して戦っていきます」

11月の中断期間までは99敗で乗り切った滋賀だったが、その後は2勝と思うように成績を伸ばせていない。試合ごとに課題は見えているため、あとは乗り越えていくだけだ。苦しい状況ではあるが、キャプテンの野本の言葉には力がみなぎっていた。再びの躍進を期待したい。