ダンリービーJr.は失望「とは言え、最悪の事態だよ」
ジミー・バトラーが右膝前十字靭帯断裂の大ケガを負ったことで、ウォリアーズのプランは崩れ去った。バトラー不在で最初の試合となった現地1月20日のラプターズ戦では、ローテーション外だったジョナサン・クミンガが17試合ぶりに起用された。トレード要求をして移籍決定を待っていた彼は気持ちを切り替え、21分の出場で20得点5リバウンドを記録。1カ月ぶりの実戦で上々のパフォーマンスを見せたが、チームは127-145で大敗した。
ウォリアーズの連勝は4でストップし、ヘッドコーチのスティーブ・カーは「ラプターズの3ポイントシュートが34本中21本も決まった。今日はそういう日だった。引きずらずに前を向く」と語った。
指揮官カーは前日の会見で「我々には高いレベルで戦い続けるための層の厚さがある」と語った。クミンガをローテーションに戻すことに加え、ステフィン・カリーの負担を安易に増やすのではなく、カリーを休ませる時間帯にディアンソニー・メルトンとブランディン・ポジェムスキーを同時起用しプレーメークを託すこと、他の控え選手の出場時間と役割を少しずつ増やすことで対処しようとしている。
ラプターズ戦ではポジェムスキーがカリーと組んで先発したが、カーは「今はあらゆる可能性がある。ベストプレーヤーの一人が離脱して、パズルの形は完全に変わった。誰かと入れ替えれば済む話ではなく、様々なラインナップをこれから実験する」と言う。
しかし、ウォリアーズの前途が明るいようには見えない。この1カ月は12勝4敗と極めて好調だったが、ここから成績が落ち込むのはほぼ間違いない。
ヘッドコーチは既存の戦力で試合に勝つことが役割で、カーはプロフェッショナルとしてバトラー抜きのロスターをどう活用するかに集中している。では、ロスターを組むGMはどう考えているのだろうか。ラプターズ戦を前に、GMを務めるマイク・ダンリービーJr.も会見を開いた。
ダンリービーJr.は現役時代にバトラーと一緒にプレーし、プライベートでも関係が深い。去年の2月にヒートで居場所を失ったバトラーを獲得したのは、彼の主導によるものだ。「個人的にも、彼のケガは本当に辛い」とダンリービーJr.は言うが、「昨日と今日ではチームが置かれている状況が全く違う。解決すべき課題がいくつかあり、それに対して正しい選択をしなければならない」と続ける。
ケガをした翌日の会見だけに、まだダンリービーJr.も今後のチーム作りの方針を打ち出せていない。それでもバトラーが離脱するという事実に向き合い、「層の厚さがあり、若手も成長している。しかし、ジミーがいない方が強いチームになることはあり得ない。勝利に貢献できる選手はたくさんいるが、ジミーのケガでチーム力は落ちた」と語った。
Jimmy Butler had to be helped to the locker room after appearing to injury his knee pic.twitter.com/sOSpAxbbAP
— Warriors on NBCS (@NBCSWarriors) January 20, 2026
ウォリアーズにとっての至上命題は、現在37歳のカリーが現役でいる間は優勝争いを続け、引退までにもう一度タイトルを勝ち取ることだ。しかし、前十字靭帯断裂からの復帰には約1年を擁するし、バトラーは今シーズンに5400万ドル(約81億円)、来シーズンに5600万ドル(約84億円)の高額契約を残している。昨年にウォリアーズは、同じケガをしたメルトンの契約を破棄した。現時点でダンリービーJr.は、バトラーとの契約破棄を否定し、「彼には昨年加入した時と同じように、来シーズンにチームに勢いを与えてほしい」と語った。
だが、バトラー抜きのチームが今シーズンに優勝争いを演じられると考えるのは、あまりにも楽観的すぎる。いくらセカンドユニットが好調でも、若手には好不調の波があるものだし、それでもウォリアーズは25勝20敗の8位でしかなく、極めて競争の激しい西カンファレンスでここから順位を上げていくのは至難の業だ。
かと言ってトレードも簡単ではない。クミンガ、さらにはバトラーを放出して、戦力をアップさせるトレードを成立させるには、指名権をセットで手放すことが不可欠だ。ウォリアーズは自前の指名権のほとんどをキープしているが、これは『カリー以後』を見据えた備えであり、簡単には手放せない。
指名権の放出について「常に検討の対象となっている。ただし、それに見合うだけの見返りが必要だ」とダンリービーJr.は語る。「ステフ引退後の指名権をトレードで放出するのであれば、その時期にもまだチームに残り、大きなインパクトを残す選手でなければならない。それだけの才能ある選手を獲得できるチャンスがあるのなら、我々が持つあらゆる資産を投じる用意はある」
トレードデッドラインまであと2週間。「直前でなかっただけマシだ。補強を検討する時間が残っている」とダンリービーJr.は言うが、会見をする彼はまだショックから抜け出せていなかった。「とは言え、最悪の事態だよ」
