
キャバリアーズの徹底マークに抑え込まれる
スパーズはジャズに続いてキャバリアーズに敗れた。下位のジャズに続き、ケガ人こそ戻ったものの調子の上がらないキャブズ相手の連敗は、今シーズン一気に優勝候補へとジャンプアップしたスパーズの勢いに水を差すものだ。
第2クォーターから第3クォーターはほとんどの時間帯でスパーズがリードし、キャブズは何とか食らい付く展開。しかし、第4クォーター開始2分にジェイロン・タイソンの連続3ポイントシュートでひっくり返されると、その後はずるずると後退し、見せ場を作れないまま敗れた。
キャブズはロースコアの展開に持ち込み、終盤に流れをつかんだ。指揮官ケニー・アトキンソンは「ペイントエリアを徹底的に固めてドライブを許さなかった。外のシュートで負けても仕方ないが、中は絶対にやらせない、というゲームプランだった」と明かす。実際、ビクター・ウェンバニャマにはエバン・モーブリーを当て、交代の時間帯も合わせて常に厳しいマークを付け、必要であればダブルチームもトリプルチームも送り込んで攻めのリズムに乗らせなかった。
ウェンバニャマは27分の出場で26得点14得点を記録したものの、得点の約半分はフリースローによるもので、キャブズの執拗な対応に気持ち良くプレーさせてもらえず、特に勝負の第4クォーターで失速した。
「相手のスカウティングを褒めるしかないけど、自分たちでコントロールしなければいけない部分のミスもたくさんあった。焦ったわけではないけど、もっと落ち着いてプレーすべきではあった」とウェンバニャマは言う。
スパーズは強くなったが、ステージが上がったことで勝つだけでなく勝ち続けることを求められるようになった。「その難しさは今日の試合よりも、ジャズ戦に表れていたように思う」とウェンバニャマは言う。「タフな連戦、精神的にもキツい中で僕たちは成果を挙げてきたけど、ここからは『一度落ち着く』というメンタリティが大事になる。周囲を驚かせる派手なプレーよりも、自分たちでコントロールできる部分をいかにきっちりコントロールできるか、それが問われる時期に来たように思う」
「大事なのは、その変化を上手く受け入れることだ。勝っても浮かれすぎない、負けても落ち込みすぎない。これはコーチに言われたんだけど、僕らは連勝していた時に世間から言われていたほど最強のチームじゃないし、この2試合で見せたほどダメなチームじゃない。練習には全員が集中して取り組んでいる。その努力を無駄にしないためにも、自分たちで防げるはずのミスはなくすんだ」
特にウェンバニャマ個人にとっては、先発復帰からの2試合での連敗で、思うところはあるだろう。もっとも、リベンジの機会はすぐに訪れる。2日後にはニックスとの対戦。NBAカップ決勝の借りを返すチャンスだ。
ウェンバニャマは力強くこう語った。「ニックスには借りを返さなきゃいけないし、何より自分たち自身にもっと良い姿を見せるつもりだ」