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好調キャブズが3ポイントシュート攻勢で大量リード

セルティックスとキャバリアーズの東カンファレンスファイナル第3戦。プレーオフに入ってから連勝の続くキャブズが前半からペースをつかむ。アウトサイドシュートの精度を欠くセルティックスに対し、キャブズは高確率で3ポイントシュートを沈めていく。特にケビン・ラブは好調でフリーでの成功はもちろんながら、タフショットも難なく決め、5本の3ポイントシュートを成功させ第1クォーターで15得点を挙げた。

その後もカイリー・アービングやJR・スミスが、素早いボールムーブの中から3ポイントシュートを沈めていく。アービングは得意のドライブも好調で第2クォーターで15得点を挙げる活躍。こうして14本の3ポイントシュートを沈めたキャブズが66-50とリードし、前半を折り返した。

だが、今日のセルティックスはこれまでの2戦と一味違った。第3クォーター残り6分39秒、トリスタン・トンプソンのフリースローで77-56とビハインドを21点へと広げられたところでタイムアウトを要求。そして、ここから怒涛の反撃が始まる。

マーカス・スマートが崩しきれないながらも3ポイントシュートを3本連続で沈めると、それに呼応するかのように他の選手の3ポイントシュートもネットを揺らし始める。残り2分58秒、スマートのドライブからエイブリー・ブラッドリーの3ポイントシュートが決まり75-84と点差を1桁に戻した。

前半とは真逆の展開となり、キャブズは外のシュートがことごとく外れていく。外がダメなら中とペイントエリアを攻めるも、インサイドを絞るセルティックスディフェンスに阻まれ、フリースローで加点するのがやっとの状態となった。

徹底したレブロン対策が機能し、逆襲のきっかけに

82-87で始まった第4クォーター、セルティックスの時間帯が続く。この追い上げを可能にしたのは、キャブズの大黒柱、レブロン・ジェームズを封じたことだ。序盤からフィジカルなディフェンスを続け、ダブルチームを仕掛けてタフショットを打たせた。レブロンはこの試合、11得点と不発。プレーオフに入ってから平均34.3得点と絶好調だったエースを封じられたことでキャブズはオフェンスの再セットに時間がかかり、チームオフェンスを遂行できなくなった。

残り5分43秒、スマートが1on1から強気に放った3ポイントシュートがリングに吸い込まれ、ついに95-95の同点に追い付く。その後はリードチェンジを繰り返す展開になるが、残り10秒、アービングがドライブからダブルクラッチを決めて108-108と再び同点に。

だがセルティックスは最後のポゼッションで、完璧なセットプレーを遂行する。スマートがボールをキープし、エイブリーのダウンスクリーンからジェー・クロウダーがペイントにダイブ。それにつられたスミスがブラッドリーをノーマークにしてしまう。フリーでボールを受けたブラッドリーが3ポイントシュートを沈め、111-108で接戦を制した。

殊勲のブラッドリー「決められて本当に良かった」

一度はリングに弾かれるもスピンのかかったボールアクションによって、不格好ながらリングに吸い込まれたラストショットについて聞かれたブラッドリーは「決められて本当に良かった」と安堵する。「絶対にあきらめない。ファンのためハードに戦い続ける。挽回こそセルティックスの持ち味だ」と劣勢を跳ね返したチームの強みを強調した。

セルティックスは6人が2桁得点を挙げ、トーマスの穴を全員で埋めるまさにチーム一丸の勝利だった。一方のキャブズはアービングが29得点、ラブが28得点を挙げるも、レブロンが11得点と大ブレーキ。3ポイントシュートは4本打って成功なし、ターンオーバーも両チーム合わせて最多の6を記録した。

精彩を欠いたレブロンは「困難こそチームにとってのプレーオフの一部。誰だって、成功を収めるためには困難や壁はあるもので、それが今日起こったということだ」とコメント。それでも「今日はセルティックスが死にもの狂いでプレーしたということ。自分たちは、必ず今日より良いプレーをしてみせる」と第4戦の必勝を誓った。

記録的惨敗から一矢報いたセルティックス。トーマス不在の影響は小さくないが、チームの団結力で第4戦に挑む。