ベインが後半爆発の37得点、ブルズ相手に逆転勝利

パオロ・バンケロが左股関節のケガで9試合連続で欠場しているが、マジックは堅調に勝ちを重ねている。チームを牽引するのはデズモンド・ベインだ。東カンファレンス首位を走るピストンズを破った現地11月28日の試合では37得点を記録。続く現地12月1日のブルズ戦では37得点を挙げてチームを勝利に導いた。

ブルズ戦は一進一退の展開となったが、ブルズがリードする時間帯の方が長く、第3クォーター中盤には15点差を付けられていた。しかし、前半は3ポイントシュート成功なしの12得点とあまり攻め気を見せられなかったベインが、第3クォーター残り3分でコートに戻って来ると一気にギアを上げる。11点ビハインドから3本のシュートを決めて第3クォーターのうちに同点とすると、第4クォーターにはフィールドゴール8本中6本成功、フリースローも4本すべて決めて18得点。さらにアシスト4つを記録し、ターンオーバーなしと完璧な出来に。最後まで競った展開となったが、マジックが125-120で勝ちきった。

試合を通じてフィールドゴール17本中12本成功の37得点、6リバウンド5アシストを記録したベインは、「押し返す力があった。このリーグでは、それが重要なんだ」と語る。

「前半は相手の良いプレーがあり、こちらは3ポイントシュートが決まらず、物事が上手くいかなかった。前半は気持ちが上手くプレーに乗らなかったと思う。でも、後半からはそれが噛み合った。気合いで何とか噛み合わせたと言っていいだろう」

ゴガ・ビタゼのブロック、アンソニー・ブラックのトランジション、タイアス・ジョーンズの落ち着いたゲームメークをベインは称賛した。「彼らが試合の流れを変える波を起こしてくれた。僕らはその波に乗ることができた。試合終了のブザーが鳴るまでずっとね」とベインは言う。

キャリア6年目にして初の移籍を経験した今シーズン、開幕当初は調子が上がらず苦しんだ。しかし、試合を重ねるごとに彼はリズムをつかみ、自信を取り戻している。ただこれは、彼に言わせればグリズリーズ時代に戻ったのではなく、マジック仕様の新たな成長だ。

「グリズリーズでの僕はキャッチ&シュートの選手だった。そこからジャ・モラントが欠場したシーズンに、いろんな役割を任されたけど、あまり良い仕事はできなかった。でも、その経験があったことで今この状況に上手く対処できている。オンボールでもオフボールでも、試合を決めるプレーができるという自信がある」

バンケロのケガがベインに積極性を取り戻させ、復調するきっかけになったのかもしれない。それでも、バンケロの復帰でベインの好調が終わるわけではない。自信を取り戻したベインとバンケロが一緒にプレーすることで、新たなケミストリーが生まれるだろう。

このところベインが調子を上げただけでなく、シックスマンのブラックも自信をつけており、2巡目ルーキーのノア・ペンダも少しずつプレータイムを増やして戦力になりつつある。バンケロ不在はマジックにとって大きなピンチだが、そこで良い兆候を生み出すことで、チームは着実に成長している。