
ブレイザーズに粘りを発揮する糸口を与えず大勝
チャウンシー・ビラップスはチームを離れたが、トレイルブレイザーズは開幕から彼が植え付けたハードなディフェンスが機能し、エネルギーに満ちた若手たちの勢いを、ベテラン司令塔のドリュー・ホリデーが束ねることで、見応えのあるバスケを展開している。
特筆すべきは粘り強さと勝負強さだ。ここまで5敗を喫しているが、2桁点差での負けはない。途中で突き放されても気持ちが折れず、ハードワークで試合の流れをもう一度引き寄せるエネルギーがあった。
しかし現地11月14日、そのブレイザーズをロケッツが粉砕した。前半こそ競ったものの、第3クォーターに抜け出し、第4クォーターも主導権を握る展開に。ブレイザーズに反撃の糸口をつかませず、140-116の大勝を収めた。
ケビン・デュラントはゲームハイの30得点を記録した。だが彼自身が強調したのは、個人ではなく『チーム全体』の働きだった。
「2桁得点が6人いる。これまでも何度かあったけど、26アシストに対してターンオーバー6は素晴らしい数字で、これは僕たちがチームでボールをよく動かせていることを意味している。スターターのシュート数も19、17、16、13、9とバランスも良い。これでディフェンスが広がり、試合終盤に僕がシュートを打ちやすい状況ができる。今日みたいに大量得点を奪うには、チームとしての努力が必要だ。引き続きこの調子でプレーしたい」
自分にすべての負担が掛かるのではなく、チームで攻め、チームで戦う。加入早々にこのスタイルが形になっていることにデュラントはご満悦だ。「優れたチームは攻め手が多い。ハーフコートでもトランジションでも、オフェンスリバウンドからでも得点できる。攻めの手段が多ければ多いほど良いバスケができる」
30得点を記録した一方でアシストは3と伸びなかった。ここまで平均3.2アシストという数字は、キャリア中盤以降は平均5アシストをコンスタントに記録していたことを考えると物足りないが、今のデュラントはスタッツに残らないセカンダリーアシストを数多く記録している。
「相手がトラップやダブルチームを仕掛けてくると、僕にアシストが付く場面はほとんどなくて、僕がパスを出した選手がもう一つ先にパスを出してアシストに繋がる。エクストラパスは良いムーブだ。僕個人が多くのアシストを稼ぐより、みんながアシストを記録する方がチームオフェンスは機能しているよね。僕はディフェンスを引き付けてパスを出し、仲間たちが応えてくれている」
ロケッツの中心として背負うべき責任は背負いながらも、あくまでチームプレーを優先し、若手を引っ張る。デュラントはロケッツで自分の望んでいた環境を得て、37歳にして若返ったかのようなパフォーマンスを見せている。
「ステフィン・カリー、レブロン・ジェームズ、ジェームズ・ハーデン、デマー・デローザン。他にもこのNBAで頑張っている35歳を超えたベテランたちが、20代半ばのような活躍を見せるたびに、僕も刺激を受ける。そんな仲間たちに感謝しているよ。僕もその一員でありたいと思うから、自分らしくアグレッシブにプレーするつもりだ」
ロケッツは開幕から2連敗を喫したが、その後は8勝1敗。司令塔のフレッド・バンブリートをケガで失いながらも、その役割をチームでシェアして結果を出しており、チームは大いに自信を増している。