
「セカンドユニットの適切な組み合わせを見付ける」
2022-23シーズンにNBA優勝を決めた時点で、ナゲッツは『王朝』を築くと考えられていた。ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.とアーロン・ゴードンのコアはこれから全盛期を迎えるにもかかわらずケミストリーは成熟しており、クリスチャン・ブラウンのように伸び盛りの若手もいた。
しかし、その後の2シーズンはカンファレンスセミファイナル止まり。サラリーキャップとの兼ね合いで、主力は維持できてもベンチユニットが力を失い、ヨキッチを始めとする主力がフル稼働せざるを得ず、プレーオフを最後まで戦い抜くことができなかった。
ナゲッツの若き指揮官デビッド・アデルマンは、ベンチユニットの適切な組み合わせを見いだし、ヨキッチ依存から脱却することがトレーニングキャンプの最大の課題だと語る。
「スターターの連携については何の心配もない。ニコラ(ヨキッチ)がポストアップし、ジャマール(マレー)とツーメンゲームをし、そこに他の選手が絡んでいくオフェンスは変わらない。重要なのはセカンドユニットの適切な組み合わせを見付けることだ。どのメンバーが最も機能するかを探し、その次の段階としてどのタイミングで、どの順番でスターターを戻していくのが適切なのかを見極める」
「それは必ずしもニコラやジャマールでなくてもいい。キャム(ジョンソン)がティム(ハーダウェイJr.)と上手く連携するならそれで良いし、ヨナス(バランチュナス)でも良い。ジェイレン・ピケットがレギュラーシーズン終盤に、ペイトン・ワトソンがプレーオフで活躍したのも忘れてはいない。新加入選手に限らず、すべての戦力を活用してベストな戦い方を見つけ出すんだ」
「ナゲッツのユニフォームは我ながらよく似合う」
ポーターJr.を放出したがキャム・ジョンソンがその穴を埋められるし、ベンチの層も厚くなった。その中でも特別な期待を寄せられるのがブルース・ブラウンだ。2022-23シーズンの優勝にシックスマンとして大きな貢献をした彼は、サラリー削減が必要なナゲッツに残留できなかった。ペイサーズ、ラプターズ、ペリカンズを渡り歩くも全く振るわず。その彼が2年ぶりにナゲッツ復帰を果たし、セカンドユニットのリーダーに返り咲こうとしている。
「ここに戻って来られたことがうれしいし、ここ数年はケガ続きだったから万全のコンディションを取り戻せたことがうれしいよ。ナゲッツのユニフォームは、我ながらよく似合っていると思う」とブラウンは笑う。
優勝したシーズンには勝負どころの得点力で何度もチームを救ったブラウンだが、セカンドユニットを立て直すカギはディフェンスだと力説する。「コートの4分の3のところからプレッシャーをかける。誰が相手かにもよるけど、もっとフィジカルに、もっとアグレッシブに守るのが基本だ。ショットクロック16秒か17秒あたりで相手チームにオフェンスを始めさせたい。あとはバスケIQを生かして、連携して守るんだ」
「ニコラを始め、見慣れた顔ぶれとコートに立つのは良いものだ。みんな動きにキレがあった。僕は少しブランクがあるから、早く取り戻さなきゃね。思い描くディフェンスをこなすだけの足腰を作り上げるんだ。そうやって激しく守り、攻めでは小さなミスをできる限り減らせば、自ずと結果はついてくる。このオフはナゲッツの練習場で多くの時間を過ごした。それがトレーニングキャンプに繋がり、シーズンへ繋がっていく。新しいシーズンの開幕が楽しみだよ」