運動量のあるバスケットで相手を圧倒

9月22日からマレーシアで開催されていた『FIBA U16女子アジアカップ2025』は、9月28日に決勝と3位決定戦の2試合が行われた。準決勝でニュージーランドに敗れた日本は、中国と銅メダルを懸けて3位決定戦を戦い71-58で勝利。日本を牽引した竹内みや(桜花学園高)はこの大会で平均19.4得点6.6アシストと、2部門でトップの記録を打ち出し、大会MVPとオールスターファイブにも選出された。

日本は試合開始直後こそ中国に先行されたが、3-4で迎えた残り6分45秒に竹内がヘジテーションから一気にドライブで抜き去りレイアップシュートを決めると、そこから3ポイントシュートやプレッシャーディフェンスからのスティールで得点に繋げ、残り4分58秒で15-6と一気にリードを広げる。しかし、第2クォーター残り3分37秒に同点に追いつかれ、逆転を許し、32-34で前半を終了する。

後半に入っても我慢の展開が続いた日本だが、足をしっかりと動かし、カバーディフェンスを多用しながら中国のオフェンスを止めていくうちに、バックコート陣の小林蘭(四日市メリノール学院高)や安井穂香(四日市メリノール学院中)などにペイントタッチをするオフェンスの積極性が表れ始め、2分9秒に逆転に成功。第4クォーターに入ってもディフェンスの強度を下げず、バックコートからターンオーバーを誘うディフェンスを繰り広げ、ボディブローのように相手を苦しめていく。

特に竹内はファストブレイクからバックビハインドパスでシュートをお膳立てするプレーを見せれば、キレのあるドライブでマークマンを置き去りにしてシュートを決めるなど勢いが止まらず、このクォーターだけで10得点を奪う活躍を見せる。固いディフェンスの前に中国は攻め手を失い、日本はそのまま逃げ切って銅メダルを勝ち取った。

勝敗を分けたのはディフェンスの強度だろう。ターンオーバーから奪った得点は、中国の2得点に対して23得点。大会を通じて運動量のあるディフェンスが日本の最大の武器となった。また、竹内は33.53分の出場で25得点7リバウンド4アシスト2スティールと、大会MVPにふさわしい活躍を見せた。

大会を終えた選手たちは帰国後、U18日清食品リーグやウインターカップ予選を戦う。この大会で得た経験を生かし、翌年に行われる『FIBA U17女子ワールドカップ2026』での活躍にも期待したい。