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第1クォーターで22点の大量リードを奪ったウォリアーズ

ウォリアーズとジャズの西カンファレンス準決勝第4戦、ここまで3連勝のウォリアーズが立ち上がりから攻守に圧倒的なプレーを見せる。

ジャズが形成する守備網の外で素早くボールを回しつつチャンスをうかがい、内に入る時は迷いなく一気に仕掛けてイージーなチャンスを作り出す。開始3分でクレイ・トンプソンとステフィン・カリーのスプラッシュ・ブラザーズだけで10得点。その後もプレー選択の妙でリードを広げていく。

ジャズは正ポイントガードのジョージ・ヒルの不在によりドライブ主体の単調な攻めになってしまう。これに対しウォリアーズは足を使ったディフェンスでノーマークを作らせず、タフショットばかりを打たせる。高さで上回るジャズに対してリバウンドでも良いポジションに入り、取れなくてもティップでつなぐことで制空権を譲らない。

第1クォーターを終えてウォリアーズが39-17と圧倒。攻撃はもちろん、ジャズのフィールドゴールを25本中6本に抑えたディフェンスが光った。

第2クォーターに入ってジャズが本来の調子を取り戻すも、ウォリアーズ相手にこれだけのビハインドを背負ったのでは挽回は簡単ではない。良いディフェンス一つ、良いパス一本に大歓声を送るファンの後押しを受け、第2クォーターの序盤に14-0、最後には8-0のランで52-60とビハインドを1桁に縮めて前半を折り返し、第3クォーターも競った展開に持ち込むが、プレッシャーを掛けてもウォリアーズは動じることなく、自分たちのプレーを遂行する。

第4クォーターに突き放され、89-114と点差が25に開いた残り3分42秒にゴードン・ヘイワード、ルディ・ゴベールの2人をベンチに下げて『白旗』を掲げた。最終スコア95-121、一度もリードを奪うことなく敗れ、4連敗でシリーズ終了。司令塔のジョージ・ヒルがケガで第2戦以降プレーできなかったのが大きく響いた。

殊勲のカリー「誰に『熱い夜』が当たるかは分からない」

カリーはフィールドゴール15本中9本を含む30得点を記録してチームを牽引。ドレイモンド・グリーンは17得点10リバウンド11アシストで、自身プレーオフで3度目となるトリプル・ダブルを記録した。トンプソンが21得点、ケビン・デュラントが18得点とビッグネームが揃って結果を残している。またベンチスタートの選手ではジャベール・マギーが11分の出場ながら12得点と活躍。特に試合序盤、彼のインサイドの合わせが立て続けに決まったことでジャズは止めどころを見いだせず、一方的な展開が生まれた。

殊勲のカリーは「ウチにはタレントがたくさんいる。誰に『熱い夜』が当たるかは分からない」とほほ笑む。「ボールを動かして、オープンショットの機会を作り出した。そんな時、ボールはよく動いて、素晴らしい何かが生まれるんだ」

ジャズはスウィーブ(4戦全敗)を喫したが、それでも躍進のシーズンであることに変わりはない。昨シーズンは9位で惜しくもプレーオフを逃したが、今シーズンはカンファレンス準決勝でウォリアーズに挑戦するところまで来た。惨敗の試合ではあったが、ホームの観客たちは大きな成長を遂げた選手たちを拍手で称えた。

ゴードン・ヘイワードは「歴史に残る偉大なチーム。すべてのポゼッションで完璧なプレーをしなければならない。少しでもミスをしたらビッグランを決められる。今日みたいにね」と相手の強さを素直に認めた。ただしチームと自身の躍進を1年限りで終わらせるつもりはない。「来シーズンのことを考えると、もう興奮するよ」

連続のスウィーブを決めたウォリアーズは、カンファレンス決勝でロケッツとスパーズの勝者と対戦する。

すべて順調に見えるウォリアーズだが、気になるのはチームを離れている指揮官スティーブ・カーの状態。腰の手術の影響による骨髄の合併症により、昨シーズンの前半戦の指揮を執れなかったカーだが、再びこの問題を抱えている。デューク大で先週金曜に手術を行ったが、復帰時期は未定。今シーズンはこのままマイク・ブラウンがヘッドコーチ代行を務めることになりそうだ。