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忍耐強く守り、エースをシリーズ平均20.8得点に抑える

バスケットボールにおいて、守備は勝利に欠かせないファクターだ。しかし、スポットライトが集まるオフェンスとは異なり、ディフェンスは地味なプレーで、忍耐力が問われる職人気質の仕事とも言える。

プレーオフに入り1回戦から8連勝で東カンファレンス決勝に駒を進めたキャバリアーズにおいて、対戦相手のトップスコアラーを抑える任務を与えれているのは、『忍耐力』という言葉が最も似合わないJR・スミス。しかしスミスは、ペイサーズとの1回戦でポール・ジョージを苦しめ、仕事をさせなかった。続く準決勝ではデマー・デローザンに張り付いた。

実はスミスが、指揮官ティロン・ルーとラプターズとのシリーズを通じ、『ある賭け』を行なっていたことを『Cleveland.com』が伝えている。

『Cleveland.com』によれば、ルーはスミスに、デローザンが得意とするパンプ・フェイクに引っかかるごとに100ドル(約1万円)を払うという賭けを持ちかけ、スミスもこの提案に乗ったという。第3戦まではデローザンのフェイントに一度も惑わされなかったものの、第4戦でついに一度だけ引っかかってしまい、賭けに負けた。

スミスは試合後に、『Cleveland.com』に「引っかかった瞬間、賭けに負けたことに気付いたよ」と話している。

どれだけの高額報酬を得ていても、自分の財布から100ドルを抜き出して渡すとなると悔しいもの。JR・スミスが4試合を通じて忍耐力を失わず、デローザンの『得意技』に一度きりしか引っかからなかったのは、この賭けがディフェンスの意識を高めたからかもしれない。

もっとも、気前良く金を出すべきはルーのほうだ。シーズンアベレージの27.3得点を誇るラプターズのエースを、スミスは平均から約7点下回る20.8得点に抑えたのだ。スウィープに成功したおかげでスケジュールには余裕がある。スミスを誘い出して豪華なディナーをおごってもお釣りは来るはずだ。