中村功平

昨シーズン、得点とアシストでキャリアハイとなるスタッツを残した茨城ロボッツの中村功平。在籍年数は6シーズン目を数え、B1昇格を経験している数少ないメンバーの1人として、これまで支えてくれたファンのためにも数多くの勝ち星を届けたいと考えている。そのために必要な改善点として意識していることを聞いた。

「『このまま終わるのは嫌だ』という気持ちが強かった」

──移籍市場が年々活発化している中で、中村選手は茨城で長くプレーを続けています。この点について意識することはありますか。

長く同じチームに在籍することで環境に慣れてしまい、「このままで良いのかな」「チームを変えて刺激を入れなければいけないかも」と思う時もありました。ただ、これまでロボッツに5年いて、あまり勝てずにいる。「このまま終わるのは嫌だ」という気持ちのほうが強いです。

昨シーズンは終盤にチームの状態が良くなってきたところでシーズンが終わってしまいました。だからこそ、ロボッツに残ってこの続きを戦いたいという気持ちです。毎シーズンなかなか勝てずにいて、ファンの皆さんを「またか」という思いにさせてしまっていると思います。それではダメですし、個人としてはこれまでの悪い流れを払拭する勝負の年だと感じています。

──チームでも古株の選手となってきました。平尾充庸選手のような大ベテランもいる中ではありますが、リーダーシップについてはどのように考えていますか。

そこは個人的に課題だと思っています。これまでは、どちらかというとプレーで引っ張っていくタイプでしたが、プロとしてコミュニケーションによるリーダーシップも大事になってきています。ゼネラルマネジャーやコーチ陣からも「もっと喋ってチームを引っ張ってほしい」と言われていて、昨シーズンは自分でも意識していましたが、まだまだ足りないと思っています。今シーズンは、コミュニケーションの部分でもチームを引っ張っていきたいです。

──今年で29歳になり、ベテランになったと感じることはありますか? フィジカル面の変化なども含め、自分のキャリアにおいて今、どんな位置にいるととらえているかうかがいたいです。

数年前までは「まだまだ若い」と思っていましたが、気づけば年下の選手も増えてきました。疲れが抜けなかったり、身体の痛い箇所が増えてきたりと、寂しいことに引退が少しずつ近づいていると感じることはあります。ただ、昨シーズンは今まで一番のスタッツを残せましたし、ここから今までの経験を生かしてもっと現役を続けていきたい、もっと頑張っていきたいという気持ちです。

中村功平

「プレータイムをシェアしながら全員バスケで戦う」

──個人として意識する目標はありますか。

チームとしてはB1での最高勝利数(23勝)を絶対に越え、30勝を挙げることを目指しています。個人的には、昨シーズンのキャリアハイのスタッツをさらに更新したいですね。そのためにもまずはケガをせずにシーズンを乗り切りたいです。昨シーズンは試合に長く出場したことでリズムをつかんだことで、スキルアップと自信に繋がりましたが、終盤になると体力が持たないところがありました。このオフは長く試合に出ていてもディフェンスで身体を張れるようにすることや、オフェンスで相手のディナイを剥がせるように、いろいろなトレーニングを行っています。

──勝ち星を増やしていくために乗り越えないといけない壁は何ですか。

昨シーズンも上位クラブである宇都宮ブレックスやアルバルク東京に喰らいついて、オーバータイムまでもつれた試合もありましたが、そこで勝ちきれなかった理由の1つに選手層の厚さがあったと思います。僕たちが主力が長い時間プレーして必死に喰らいついている一方で、相手は終盤にフレッシュな状態で主力が出てくるので。

今シーズンのメンバーは、みんなこれまで試合に出ていた選手たちですし、プレータイムをシェアしながら全員バスケで戦うことが大事だと思います。昨シーズンは2シーズン前よりも、オフェンス、ディフェンスともにレーティング(100ポゼッションでの平均点)の順位が上がっています。でも、チャンピオンシップに出ている上位チームと比べるとディフェンスの強度が全然足りていません。そこはもっとレベルを上げていく必要があります。

──開幕へ向けて、ファンへのメッセージをお願いします。

毎シーズン、「開幕前は『今年こそは』と言っていたのにまたか……」と思わせていたかもしれませんが、今シーズンこそは今までと違うチームを見せたいです。本当に皆さんの応援はすごいですし、応援してくださる方が毎年増えていると感じています。皆さんの熱い応援に見合った成績、強さをしっかりと身につけられるように頑張りますので、今シーズンもよろしくお願いします。