ファイナルでの悔しさを糧に
──このオフシーズンはどのように過ごしていましたか?
アジアカップもあったので休みは限られていましたが、自分はバスケットを普及していきたいという気持ちがあるので、より多くの方々に知ってもらい、会場に来て応援をしてもらえるためにも直接ファンの人と触れ合う機会を設けるようにしていました。こういった機会を創出できるのはオフシーズンにしかできないことなので、代表活動期間の合間を縫って行っていました。その活動の一環として今年は『CLASH BEAT』という1オン1の新しい大会を企画しました。1オン1というコンテンツがバスケットボールの中で普及できたら良いなと思っています。
──現在のコンディションはいかがですか?
代表活動があったので8月中旬ごろからチームに合流しました。今はリーグ開幕に向けてコンディションを調整している段階ですね。チームのシステムが去年から変わっているので、アジャストをしていきながら、自分のプレーをどのように出していけば良いかを探っています。
──昨シーズンに個人やチームが得たものは、どんなものでしたか。
個人としては3ポイントシュートを打つようになってから、相手がそこを守ってきた時にドライブやパッシングするということを意識していて、そこの判断は年々良くなっていると思います。チームとしては全体的にステップアップしていて、個人の能力も上がってきていると思います。2年連続でファイナルに行って、そこで経験したことは、悔しさを含めて自分たちにとって大きな糧となっているので、自分たちが得た一番大きなものは「ファイナルで負けた」ということなのかなと思います。
──ファイナルでの敗北の悔しさをまだ忘れていないということですね。
そうですね。勝たないと負けた悔しさはずっと残るので、勝つことが悔しさを忘れる唯一の方法だと思います。ただ前回のファイナルでは、負けたその一瞬はすごく悔しかったですが、頭の中はすぐに切り替えました。終わったことは変えられませんし、自分たちがここからどうやってもう一つ階段を上がっていくのか、ということが大事だと思っています。
「積極性を持つことが大事」
──ヘッドコーチも代わりいよいよ新しいシーズンを迎えますね。
アジアカップが終わって合流した段階で感じたことは、若いメンバーが増えたこともあり、みんなが積極性を持って攻めていることです。このカップ戦(2025 BNK金融 パクシンジャカップ)を通じてみんながアグレッシブにプレーをしていることは、新しいチームとして楽しみな部分が増えてきているなと実感しています。日本代表でも活躍をしましたが、今野紀花選手や、薮未奈海選手のようにポジションに関係なく3ポイントが打てて、ドライブやアシストもできるオールラウンドな選手が増えたことは、オフェンスが流動的になって見ていて面白いのかなと感じます。とはいえ、自分達の持ち味はアグレッシブなディフェンスなのでその部分を見てもらいながら、多彩なオフェンスにも期待してほしいと思います。
──今シーズンのWリーグを戦っていく上でのポイントは?
今シーズンから外国籍選手の加入条件が変更になったので、どこがどうなるかわからないというのが正直な感想です。分からないからこそ「自分達がやるべきことをしっかりやる」というところをちゃんとやれば、うまくいくのかなと思います。外国籍選手に頼り過ぎずにやっていくことが一つの課題になってくるのではないでしょうか。そこに任せっきりにするのではなくて、自分たちがしっかりやるぞという積極性を持つことが大事だと思うのでそう言った意味では、現段階でチームのみんなが積極的にアタックしていることは良い兆しなので、自分が合流しても続けられるようにしたいです。
──新しいレギュレーションによって髙田選手のポジションではマッチアップする外国籍選手のタイプが変わってきそうですね。
そうですね。でも、もう海外で経験もしているので。2m26cm(中国代表の張子宇選手)も経験しているからあまり怖くないんですよ(笑)。そのへんは問題ないかなと思います。
──新シーズンを迎えるにあたってどのような気持ちですか?
ワクワクすることが多いと思いますよ。高校や大学で活躍した留学生の加入も年々増えていますし、どのチームも高さがある選手を獲得すると考えられるので、よりハイレベルなリーグになってくると思います。本当にどこが勝つか分からないですし、どういうチームになるか分からないというのが今年の楽しみです。そういった意味でもチーム作りというのが一番ポイントになると思います。
──全国で応援してくれるファンの方々にメッセージをお願いします。
2年連続でファイナルで負けているので、今年こそは優勝できるように頑張っていきたいです。一つの試合がすごく大事になってくると思うので、自分たちでしっかりと勝ち取って、最後は優勝を目指して頑張っていきたいと思います。ぜひ会場で応援してください。