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初めて前半をリードして折り返したラプターズ

キャバリアーズとラプターズのプレーオフ準決勝第3戦。ここまで2敗のラプターズが、24-28で始まった第2クォーターに反撃を開始する。

第2戦でわずか5得点に封じられたデマー・デローザンが、ダブルチームに来られる前に1on1を仕掛け、ペリメーターのシュートを高確率で沈めていく。ディフェンスではレブロン・ジェームズのペネトレイトからのキックアウトの対応を強化。後手を踏んでのダブルチームではなく、自分たちから仕掛けるダブルチームで精度の低いパスを出させ、ターンオーバーを誘った。

残り2分8秒、デローザンがドライブからバスケット・カウントを奪い逆転に成功する。デローザンはこのクォーターだけで13得点を挙げ、52-49とこのシリーズで初めて前半をリードして終えた。

デローザンを封じられ、攻守ともに崩壊したラプターズ

後半に入ると、リードチェンジを繰り返す一進一退の攻防が続く。それでも残り1分を切ってからカイル・コーバーが2本連続で3ポイントシュートを沈め、キャブズが79-77と逆転する。そして最終クォーター、ともにセカンドユニットでスタートした時間帯にキャブズが走る。コーバーがトリスタン・トンプソンのダウンスクリーンで左45度の位置から3ポイントシュートを沈めると、今度は同じプレーから自分にマークを引きつけてトンプソンにパスを送った。スペースが空きミスマッチとなったトンプソンがバスケット・カウントを決める。

開始2分で79-87とリードを許されたラプターズはデローザンをコートに戻すが、キャブズはイマン・シャンパートの執拗なマークとヘルプディフェンスで自由を与えない。中を絞ったことで3ポイントシュートが得意ではないデローザンはシュートに持ち込むこともできなくなった。

その間にキャブズはコーバーを中心にディフェンスを崩し、フリースローを獲得して得点を積み上げていく。残り6分50秒、レブロンが巧みなステップから3ポイントシュートを沈めリードを15点に広げた。

オフェンスでリズムを失いディフェンスが崩壊したラプターズは、集中力も低下し簡単にフリースローを与えてしまう。

残り3分33秒、レブロンのシュートが決まり21点差としたところで勝負有り。最終スコア115-94でキャブズが勝利を収めた。

レブロンが16本のフリースローを獲得し、3試合連続30点オーバーとなる35得点を挙げた。3連勝で決勝進出に王手をかけたが「スウィープについては考えていない。攻守両面でやらないといけないことを考えているだけ」とレブロンは冷静に目の前のことに集中している。

ゲームハイの37得点を挙げるも、最終クォーターを1点に抑え込まれたデローザンは「第4クォーター開始の時点では負ける要素は何もなかった。3ポイントシュート2本で勝つのは難しい」と肩を落とした。

デローザンが敗因に挙げたように、ラプターズは3ポイントシュートが18本中2本(11.1%)しか決まらなかった。キャブズはコーバーの4本を筆頭に7人の選手で13本の3ポイントシュートを高確率(56.5%)で沈めた。

3連敗で後がなくなったラプターズだが、ホームのファンの前でスウィープは避けたいところ。前年王者に対し一矢報いることができるか、第4戦も見逃せない。